本文へスキップ
IFAI

AIツール

Apple、Apple Watch Series 12とAI刷新の「ヘルスケア」を発表

公開 拡散指数 59

AppleはApple Watch Series 12やUltra 4を発表し、Apple Intelligenceを活用した新しい「ヘルスケア」アプリを公開した。0〜10点のコンディションスコアやカメラを用いた運動機能評価、生体データに基づく「健康年齢」算出などを導入。新アプリは年内提供予定。

Apple、Apple Watch Series 12とAI刷新の「ヘルスケア」を発表
画像:apple.com

Apple Watch を長年使ってきたユーザーにとって、最大の不満の一つはリングを閉じることへの一方的な要求でした。どれだけ寝不足で疲労が溜まっていても、時計はいつもと変わらず運動を促してきます。

Apple はその課題に正面から応えるアップデートを発表しました。新たな「Health Sensing System」を搭載した Apple Watch Series 12 と Apple Watch Ultra 4、そして Apple Intelligence を組み込んで刷新されたヘルスケアアプリです。

9 月 1 日に Tim Cook の後を継いで CEO に就任した John Ternus 体制下における、最初の主要製品発表でもあります。ハードウェアエンジニアリング責任者として Apple Watch の開発を長年率いてきた人物だけに、健康計測の基本性能に徹底的なメスが入りました。

5 秒ごとの心拍計測と「レディネス」スコア

今回のハードウェアにおける中核は、大幅に強化された光学・電気心拍センサーです。高効率な大型グリーン LED を採用することで、Series 12 と Ultra 4 は 1 日中 5 秒ごとに心拍数を計測できるようになりました。従来のバックグラウンド計測に比べて頻度は 60 倍に跳ね上がっています。

自律神経の状態を反映する心拍変動(HRV)の計測頻度も 24 倍(5 分ごと)に引き上げられました。Apple はこれを、日々のストレスや回復度合いを把握するための「回復 HRV」と、心血管全体の健康を示す「全体 HRV」の 2 つに分けて管理します。

これらのデータをもとに算出されるのが、新たに導入された 0 から 10 の「レディネス」スコアです。直近のアクティビティ、睡眠、バイタルを統合し、回復・ペース配分・準備完了・全力の 4 つの推奨メッセージを提示します。朝一番に出して終わりではなく、日中の活動量に応じてスコアがリアルタイムに更新されるのが特徴です。

本体には S11 チップが搭載され、屋外ワークアウト時のバッテリー駆動時間は 25 % 伸びて 10 時間に達しました。15 分で最大 12 時間分を充電できる急速充電にも対応しています。価格はアルミニウムモデルが 399 ドルからで、9 月 18 日に発売されます。

画面越しで動作評価、Quest と組んだ血液検査も

今年後半に提供される iOS 27 の新しいヘルスケアアプリでは、長期的な健康を見据えた機能が並びます。

新設される「寿命(Longevity)」タブには、VO2 max や安静時心拍数、睡眠データを組み合わせて暦年齢と比較する「健康年齢(Health Age)」が追加されます。iPhone のカメラと Apple Watch を使い、自宅のリビングで柔軟性やバランス感覚を測定する動作評価機能も用意されました。映像は端末内でのみ処理され、外部に保存・送信されることはありません。

米国市場ではさらに一歩踏み込み、臨床検査大手の Quest Diagnostics と提携しました。ユーザーはヘルスケアアプリから直接 119 ドルで 50 項目以上のバイオマーカー検査を予約・購入し、全米約 2000 か所の拠点で採血を受けられます。結果に応じて、LDL コレステロールなどの数値を専門家が動画で解説してくれます。

また Series 12 には、直近 15 秒の会話を文字起こしできる Live Rewind や、環境音を聞き取って要約を作成する Siri Recap といったオーディオ AI 機能も追加されます。

なぜ重要か

Apple がこれまでの「受動的なデータ記録ツール」から、「行動を具体的に指示する健康パートナー」へと舵を切ったことが伺えます。

一般ユーザーにとってのメリットは明確です。グラフや専門用語を見せられても、今日ジムで追い込むべきか休むべきかを判断できる人はごく一部でした。レディネススコアという分かりやすい指標が与えられたことで、直感的に日々の行動を決められるようになります。

ウェアラブル業界全体への影響も見逃せません。これまでリカバリー機能は、Oura や Whoop などのサブスクリプション型デバイスや、Garmin の高価格帯モデルを選ぶ大きな動機になっていました。Apple が 5 秒おきの高精度計測とレディネススコアを追加料金なしで標準機能として組み込んできたことは、他社にとって大きな脅威になります。

一方で、サービス展開には地域差という課題が残ります。Quest と連携した血液検査や医療連携は米国に特化した仕組みであり、日本をはじめとする他国で同様のエコシステムを迅速に構築できるかは不透明です。また、健康年齢のような指標は分かりやすい反面、基準値のわずかな変化でユーザーの不安をあおるリスクもあり、健康不安をどうケアしていくのかが今後の課題になるでしょう。

情報源 (3)

  1. [1]
    apple.com(新しいタブで開きます)原文apple.com
  2. [2]
    theverge.com(新しいタブで開きます)報道theverge.com
  3. [3]
    techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com

毎日のAIピックアップ