Anthropicが300億ドル調達、評価額は3800億ドルに急伸
AnthropicはGICとCoatueが主導するシリーズGで300億ドルを調達し、評価額が3800億ドルに達したと発表した。年換算の売上高は140億ドルに拡大し、AIエージェント「Claude Code」単体でも25億ドルを突破している。調達資金はインフラ増強と最先端モデル開発に投じられる。

AI 業界の資金調達レースが、また一段上の次元へ突入しました。
Anthropic は 2 月 12 日、シリーズ G ラウンドで 300 億ドルを調達したと発表しました。これにより、同社の評価額は 3,800 億ドル(事後評価額)に達しました。前回のシリーズ F での評価額は 1,830 億ドルだったため、短期間で 2 倍以上に跳ね上がったことになります。今回のラウンドはシンガポール政府投資公社(GIC)と Coatue が主導し、Founders Fund や MGX、セコイア、Jane Street のほか、マイクロソフトやエヌビディアによる既存の投資枠も含まれています。
競合の OpenAI が最大 1,000 億ドルの資金調達と評価額 8,300 億ドルを目指していると報じられる中、両者の資本をめぐる争いは過熱の一途をたどっています。
最初の売上から 3 年足らずで年換算 140 億ドルに急伸
評価額の急騰を支えているのは、驚異的なペースで伸びる実際の収益です。
Anthropic によると、同社が最初の 1 ドルを売り上げてからまだ 3 年も経っていませんが、現在の年換算売上高(run-rate revenue)は 140 億ドルに到達しました。過去 3 年間にわたり、毎年 10 倍以上のペースで成長を続けている計算です。年間 10 万ドル以上を支払う大口顧客数は過去 1 年で 7 倍に増え、年間 100 万ドル以上を費やす顧客は 500 社を超えました。Fortune 10 企業のうち実に 8 社が Claude の有料顧客となっています。
この驚異的な数字を牽引しているのが、自律型コーディングツール「Claude Code」です。2025 年 5 月に一般公開された Claude Code は、すでに年換算売上高が 25 億ドルを突破しました。2026 年初頭から現在までのわずかな期間でも、売上高と週間アクティブユーザー数はともに 2 倍に増加し、企業向けサブスクリプションは 4 倍に跳ね上がっています。直近の分析によると、世界中の GitHub 公開コミットのうち 4% を Claude Code が自動作成しており、そのシェアはわずか 1 か月で倍増しました。
特定のクラウドやチップに縛られない強み
先週公開された最新モデル「Opus 4.6」が、金融や法務などの知的労働タスクを評価する GDPval-AA で世界最高スコアを記録するなど、知能の面でも進化が続いています。
同時に、同社はインフラの多重化を着実に進めています。Claude は AWS(Bedrock)、Google Cloud(Vertex AI)、Microsoft Azure(Foundry)という大手クラウド 3 社すべてで利用可能な唯一のフロンティアモデルです。ハードウェアに関しても、エヌビディア製 GPU だけでなく、AWS の Trainium や Google の TPU を組み合わせて学習や推論を回しており、コストと供給リスクの分散を図っています。
なぜ重要か
開発者や企業にとって、今回の巨額調達は「Claude を業務の中核に組み込んでも梯子を外されない」という最大の安心材料になります。特に GitHub の公開コミット全体の 4% を担っているという現実は、AI による自律プログラミングが実用フェーズに入ったことを示しています。ソフトウェア開発に携わる現場であれば、Claude Code の導入検討はもはや必須と言えます。
一般ユーザー向けの派手なチャット機能よりも、企業のプログラミングや実務自動化にリソースを集中させた Anthropic の戦略は、極めて賢明だったと考えられます。3 年足らずで 140 億ドルの年換算売上を叩き出した実績は、生成 AI が単なるバブルではなく、企業のインフラとして定着しつつある証拠です。
一方で、3,800 億ドルという評価額は極めて高く、今後の成長鈍化は許されません。OpenAI との熾烈な計算資源争奪戦が続く限り、調達した 300 億ドルも決して安泰とは言えない規模です。それでも、企業向け AI 市場における主導権を強固にした点において、同社の優位性はしばらく揺るぎそうにありません。
情報源 (2)
- anthropic.com(新しいタブで開きます)原文anthropic.com
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com