Anthropicが「Claude Opus 4.7」一般公開 高難度コーディングと安全対策を強化
米Anthropicは、最新モデル「Claude Opus 4.7」をClaude製品やAPI向けに一般公開した。最難関レベルのソフトウェア開発や画像認識の解像度を大幅に強化したほか、長時間のタスクを自律的に検証・実行できる。価格は据え置きで、高リスクなサイバーセキュリティ用途の自動遮断機能も初搭載した。

大規模なコード修正をAIに任せたものの、途中でツールエラーを起こして無限ループに陥ったり、動かないハリボテのコードを出力されたりして頭を抱えた経験はないでしょうか。
Anthropicは、最新のフラッグシップモデル「Claude Opus 4.7」の一般提供を開始しました。Claudeの各製品やAPIのほか、Amazon Bedrock、Google Cloud Vertex AI、Microsoft Foundryでも利用可能です。料金はOpus 4.6と完全に据え置きで、入力100万トークンあたり5ドル、出力100万トークンあたり25ドルとなっています。
長時間タスクの自律遂行とエラー耐性が向上
Opus 4.7の最大の特徴は、複雑なソフトウェアエンジニアリングや複数ステップの処理における安定感です。新たに「xhigh」という思考強度レベルやタスク予算の設定が追加されたほか、画像認識の解像度は最大2,576ピクセルまで拡大されました。
アーリーアクセス参加企業の検証結果でも、はっきりとした差が出ています。Cursorの社内ベンチマーク「CursorBench」では、Opus 4.6の58%から70%超へとスコアが急伸しました。楽天のRakuten-SWE-Benchでも、解決できた本番タスク数が4.6の3倍に達したといいます。Hexは、低負荷設定のOpus 4.7が4.6の中負荷設定に匹敵し、データが不足しているときにでっち上げをせず正しく報告するようになったと評価しています。
自律型エンジニア「Devin」を開発するCognitionも、数時間にわたって破綻なく深く調査を継続できるようになったと述べています。Notion Agentの評価でもツール呼び出しのエラーが3分の1に減少するなど、自律エージェントとしての基礎体力が大きく底上げされています。
危険なサイバー攻撃能力をあえて抑制
今回のリリースで異例なのは、一部の能力を意図的に引き下げている点です。Anthropicは先週、AIのセキュリティリスクと利点に関する「Project Glasswing」を発表した際、最上位モデルであるMythos Previewの一般公開を制限し、まずは下位モデルで安全対策を検証すると表明していました。
Opus 4.7はその第一号にあたります。訓練段階で危険度の高いサイバー攻撃能力を意図的に低減させる実験を行い、禁止されている高リスクな要求を自動で検知・遮断する保護機能を搭載しました。脆弱性調査やペネトレーションテストを行う正規のセキュリティ担当者は、新設されたサイバー検証プログラムへの参加が必要となります。
なぜ重要か
今回のAnthropicの動きは、非常に実用重視で賢明だと私たちは考えています。ベンチマークの派手な数字競争ではなく、開発現場が最も嫌う無限ループ、ツールのクラッシュ、もっともらしい嘘といった実運用上の課題を潰しにきています。価格を4.6から据え置いたことも、開発者が移行を迷わずに済む大きなメリットです。
業界全体にとっても、モデル運用の潮目が変わりつつあることを示しています。モデルの全能力を無制限に解放するのではなく、危険な攻撃能力だけを外科手術のように削ぎ落として安全性を担保する手法が現実のものとなりました。
ただ、自動検知ガードレールが過剰に反応し、正規の開発やデバッグのプロンプトを誤遮断してしまう懸念は残ります。新設された検証プログラムがどこまでスムーズに運用されるかが、専門家コミュニティの信頼を維持する鍵になりそうです。
情報源 (1)
- anthropic.com(新しいタブで開きます)原文anthropic.com