Anthropic、Claude 3.5 HaikuをWebとモバイル版で提供開始
AnthropicはClaudeのWeb版およびモバイルアプリでClaude 3.5 Haikuの提供を開始した。旧フラッグシップの3 Opusと同等以上の性能を示し、コーディングやデータ抽出に優れ、より長いテキスト出力に対応する。ただし画像認識には対応していない。

軽量モデルがかつてのフラッグシップを追い抜く流れが、いよいよチャット画面でも現実になりました。
Anthropicは、最新の軽量AIモデルであるClaude 3.5 Haikuを、Webおよびモバイルアプリ版のClaudeユーザー向けに正式提供開始しました。木曜日の朝からSNS上で報告が相次ぎ、一般ユーザーの利用環境でも選択可能になったことが確認されています。
速度と知能は大幅向上、ただし視覚は消失
3.5 Haikuは11月に発表され、先月初めにまずAPI経由で先行リリースされていましたが、ようやく一般向けのチャットボットUIにも組み込まれました。
最大のトピックは、その高い処理能力です。Anthropicによると、特定のベンチマークにおいて、同社の旧最上位フラッグシップモデルであるClaude 3 Opusと同等かそれ以上の数値を記録しています。
特に得意とする用途として、コードの推薦や生成、データの抽出とラベリング、コンテンツモデレーションが挙げられています。先代の3 Haikuと比べて一度に出力できるテキスト量が長くなり、知識のカットオフ日も新しくなったため、より最近の事象にも対応できるようになりました。
一方で、小さくない制約もあります。3.5 Haikuは画像解析をサポートしていません。上位の3.5 Sonnetはもちろん、旧型の3 Haikuすら備えていた画像認識が省かれたことで、マルチモーダル用途では後退した形になります。
API値上げの波紋を経てのアプリ解放
このモデルは先月初旬にAPIとして先行提供された際、ちょっとした物議を醸した経緯があります。
当初Anthropicは、3.5 Haikuの価格を3 Haiku据え置きにするような示唆をしていました。しかし実際の提供時には方針を転換し、知能の大幅な向上に見合うとしてAPIの利用料金を引き上げました。
開発者界隈からはコスト面で不満の声も上がりましたが、今回Webやスマホアプリのチャット画面に降りてきたことで、一般ユーザーはトークン単価を気にすることなく、その俊敏な応答性を体感できるようになりました。
なぜ重要か
日常的にテキスト作業をこなすユーザーにとって、3.5 Haikuは即戦力として試す価値があります。コードのレビューや要約、短い文章の作成など、思考の待ち時間を減らしたい用途では抜群のテンポで動いてくれます。ただし、図表の読み取りやスクリーンショットの解析がルーティンに含まれているなら、引き続き3.5 Sonnetを選ばざるを得ません。
業界全体で見れば、昨日のフラッグシップ級の知能が、今日の格安かつ高速な小規模モデルに詰め込まれるサイクルがさらに加速したことを示しています。ミリ秒単位のレスポンスが求められるタスクにおいて、Opus級の頭脳が常時待機するインパクトは小さくありません。
ただ、Anthropicの今回のプロダクト設計には少し疑問も残ります。マルチモーダルが当たり前になった現在の環境で画像認識を切り捨てた仕様は、推論コストとの妥協とはいえ体験として惜しい点です。APIの価格引き上げの件も含め、高い知能と引き換えにユーザーの期待を一部削る動きが続いている印象を受けます。
情報源 (1)
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com