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業界動向

AMD、光チップ新興 Enosemi を買収:次世代 AI 向け CPO 技術の開発を加速

公開 拡散指数 50

AMD は光チップを手がける米スタートアップ Enosemi の買収を発表した。買収額は非公開。Enosemi の技術を活用し、光トランシーバーをスイッチチップへ直接統合するコパッケージド・オプティクス(CPO)の開発を強化し、大規模 AI クラスタの遅延低減とコスト削減を目指す。

AMD、光チップ新興 Enosemi を買収:次世代 AI 向け CPO 技術の開発を加速
画像:siliconangle.com

AIモデルの巨大化に伴い、計算能力だけでなく「サーバー間をいかに高速かつ省電力でつなぐか」がデータセンターの死活問題になっています。

AMDはシリコンバレーに拠点を置く光半導体スタートアップのEnosemiを買収したと発表しました。買収額は非公開ですが、目的は次世代AIシステムに向けたCPO(Co-Packaged Optics:光電融合・光共パッケージ)技術の開発加速です。

AIラックを光でつなぐ最後のピース

大規模なAIクラスターは、多数のGPU、ネットワーク機器、冷却装置を備えた複数のサーバーラックで構成されます。従来は顧客がこれらを個別に調達して組み立てていました。

競合のNVIDIAはDGXシリーズにより、ラック全体を統合パッケージとして提供することで市場をリードしています。AMDも同様の路線を進めており、直近ではデータセンターのラック設計を手掛けるZT Systemsを48億ドルで買収しました。今回のEnosemi買収は、そのシステム戦略をネットワークの根幹から支えるものとなります。

Enosemiは、光集積回路を量産出荷した実績を持つ博士クラスの人材を擁する技術集団です。AMDのテクノロジー&エンジニアリング担当シニアバイスプレジデントであるBrian Amick氏によると、EnosemiはもともとAMDの外部パートナーとして光技術を共同開発しており、今回の買収によってそのリソースを社内に直接取り込む形となりました。

トランシーバーをなくし、チップに光を直接載せる

現在のデータセンターの光ネットワークでは、サーバーからの電気信号を光信号に変換して伝送し、受信側で再び電気に戻す作業を行っています。この役割を担うのが「光トランシーバー」です。

しかし、数千から数万台規模のAIクラスターでは大量のトランシーバーが必要になり、コストと電力消費の大きな原因になっていました。そこで注目されているのがCPO技術です。

CPOは、スイッチやプロセッサのパッケージ内に光送受信機能を直接統合します。外付けの光トランシーバーを不要にすることで、部品コストを削るだけでなく、信号が移動する距離を極限まで縮めてレイテンシ(遅延)を低減し、消費電力を大幅に抑えることができます。

なぜ重要か

データセンターを運用するクラウド事業者や大規模企業にとって、CPOの実用化はAIインフラの投資対効果を劇的に変える可能性を秘めています。GPUの処理能力が高くても、ノード間のデータ転送がボトルネックになれば全体の効率は落ちます。ラック単位での光通信が統合されれば、高価な光トランシーバーの購入費用と莫大な電力コストを同時に抑制できるはずです。

業界全体から見れば、AMDがNVIDIA対抗のフルスタック体制を着々と完成させつつあることが分かります。AMDはこれまで、適応型SoCのXilinx、ネットワーキングのPensando、ソフトウェアのSilo AIやMipsology、そしてラック設計のZT Systemsを次々と傘下に収めてきました。Enosemiの獲得により、チップ、ソフトウェア、ラック設計、そしてチップ間を結ぶ光配線技術までが1社で揃うことになります。

光集積回路の量産実績を持つ少数精鋭チームを直接買収したAMDの判断は、手堅く理にかなっていると私たちは考えます。一方で、CPOは高密度パッケージングに伴う熱対策や歩留まりの維持など、製造面でのハードルが極めて高い領域です。外部サプライチェーンに頼らず自社設計でどこまで早期に量産レベルへ引き上げられるかが、今後の競争の分かれ目になりそうです。

情報源 (2)

  1. [1]
    amd.com(新しいタブで開きます)原文amd.com
  2. [2]

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