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業界動向

米NYT、Amazonと初のAIライセンス契約 Alexa連携やモデル学習へ提供

公開 拡散指数 47

The New York TimesはAmazonと初のAIライセンス契約を結んだ。記事やレシピ、スポーツ報道をAIモデルの学習やAlexaなどの製品へ提供する。OpenAIやMicrosoftを著作権侵害で提訴し続けている同紙が、ついにビッグテックとの提携に舵を切った形だ。

米NYT、Amazonと初のAIライセンス契約 Alexa連携やモデル学習へ提供
画像:therundown.ai

生成AIに対する最も強硬な姿勢をとってきた大手メディアが、ついに方針転換を見せました。

米ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)は、自社の報道コンテンツをAmazonの生成AI技術向けにライセンス提供する複数年契約を締結したと発表しました。同社が生成AI技術への活用を目的としたライセンス契約を結ぶのは、今回が初めてです。

契約の金銭的条件は公表されていません。

料理レシピからスポーツ、Alexaまで網羅

ライセンスの対象は、一般のニュース記事にとどまりません。

料理専門サイト「NYT Cooking」のレシピや、買収したスポーツ専門メディア「The Athletic」の記事も含まれています。Amazonはこれらの高品質なデータを、自社開発のAIモデルのトレーニングに活用する計画です。

さらに、スマートスピーカー「Alexa」をはじめとする各種サービスにも組み込まれます。Alexaが回答を生成する際には、ニューヨーク・タイムズからの引用であることを明示し、詳細を読めるように記事へのリンクも提供するとしています。

同社のメレディス・コピット・レヴィアン最高経営責任者(CEO)は従業員向けのメモで、「質の高いジャーナリズムには対価が支払われるべきだという長年の原則に合致するものだ」と説明しました。

訴訟を続けながら別の大手と組む現実路線

ニューヨーク・タイムズといえば、2023年にOpenAIとMicrosoftを著作権侵害で提訴したことで知られています。数百万件に及ぶ記事を無断でAIモデルの学習に使用したとするその裁判は、現在も続いています。

法廷で争いながらもAmazonと手を組んだ背景には、ユーザーの情報取得スタイルが変化し、メディアの収益源確保が急務になっている現実があります。

なぜ重要か

一般ユーザーにとっては、Alexaを通じて信頼性の高い取材記事やレシピ、スポーツ解説を直接、かつ出典付きで受け取れる利便性があります。

業界全体にとっても、これは大きな転換点です。AI企業に対して最も頑なに門を閉ざしていたメディアが商業利用を認めたことで、「AIには無断学習させず、正規のライセンス料を払わせる」という対価回収モデルが定着しつつあります。

私たちは、この動きを非常に計算された戦術だと考えています。OpenAIらとの係争を続けながらAmazonと契約を結ぶことで、自社の記事データには実際に高額な商業的価値が存在することを、法廷や市場に対して証明できるからです。

一方で、課題も残ります。音声アシスタントが要約を読み上げてしまうと、ユーザーがリンクを踏んで本来の課金読者になってくれる可能性は極めて低いため、ライセンス収入が将来の購読料減少を補えるかは依然として未知数です。

情報源 (1)

  1. [1]
    nytimes.com(新しいタブで開きます)原文nytimes.com

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