Amazon、出品済み商品の掲載内容を自動改善する生成AIツール「Enhance My Listing」提供開始
Amazonは出品者が登録済み商品のタイトルや説明文を自動で最適化できる新機能「Enhance My Listing」を発表した。Amazon Bedrockを活用し、最新の購買動向に基づいて改善案を提示する。出品者はワンクリックで反映の可否を選択可能。米国の対象セラーから順次展開される。

Amazonで商品を出品した経験がある人なら、出品ページの作成や更新がいかに面倒か身に染みているはずです。タイトルや仕様箇条書きを整えるだけでも骨が折れますが、数百点に及ぶ過去の出品ページを季節のトレンドや検索傾向に合わせて最新に保ち続けるのは、中小セラーにとってはほぼ不可能な作業でした。
Amazonは9月19日、既存の商品出品ページを生成AIで自動的に改善・最適化できる新機能「Enhance My Listing(EML)」の提供を開始しました。
90万セラーが利用、放置された旧ページをAIがリフレッシュ
Amazonは2023年末から、商品説明文や画像、外部サイトのURLを数点入力するだけで出品ページを自動生成するAIツールを提供してきました。その後スプレッドシートによる一括作成にも対応し、急速に普及が進んでいます。
Amazonの発表によると、すでに90万社以上の出品パートナーがこれらのAIツールを導入しています。注目すべきはセラー側の受容度の高さで、AIが生成したテキストをほとんど修正せずにそのまま採用する割合は約90%に達し、出品情報の全体的な品質スコアも40%向上したといいます。
しかし、セラーからは「新規出品だけでなく、何年も放置してしまっている既存の出品情報を最新化したい」という要望が多く寄せられていました。
今回発表されたEMLは、Amazon Bedrockを基盤にしており、最新の購買行動やトレンドを学習しながら、既存出品情報のタイトル、商品説明、属性情報、不足している仕様などを診断し、最適な改善案を提示します。セラーは提案内容を確認し、ワンクリックで承認、微調整、あるいは却下を選択できます。
併せてAmazonは、売上状況の確認や在庫問題の診断を支援するセラー向けAIアシスタント「Project Amelia」のベータ版や、ブランドストーリーを魅力的に見せる「A+コンテンツ」のAI自動作成機能も発表しました。EMLはまず一部の米国セラー向けに公開され、今後数週間で展開地域を拡大する予定です。
なぜ重要か
セラーにとって最大の恩恵は、最小限の手間でカタログ全体の露出度を引き上げられる点です。専門用語ばかりで一般の購買層に届いていなかった製品説明を、AIが分かりやすい購買向けテキストへ書き換えてくれるため、死蔵していた古い商品の売上回復が期待できます。特にワンオペや少人数で大量のSKUを抱えている事業者は、今すぐ試す価値があります。
Amazon側の狙いとしても非常に巧妙です。マーケットプレイスの成約率は商品データの網羅性や正確性に依存しますが、出品者に手動入力を促すのは限界があります。生成AIの提案をセラーにワンクリックで承認させることで、プラットフォーム全体のメタデータを低コストかつ短期間でクレンジングし、検索や推薦エンジンの精度を高めることができます。
ただし、懸念もあります。セラーの9割がAIの提案をそのまま受け入れている現状を考えると、同じカテゴリー内の商品ページが似たり寄ったりの表現で埋め尽くされ、ブランド独自の個性が薄まる恐れがあります。AIによる改善はあくまで土台作りと捉え、自社ならではのこだわりを最後の一手間で加えるセラーこそが、結果的に勝ち残ると考えられます。
情報源 (1)
- aboutamazon.com(新しいタブで開きます)原文aboutamazon.com