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業界動向

米アマゾンがデータセンター公約発表、水消費や汚染巡る批判に反論

公開 拡散指数 36

AmazonはAIインフラ拡大に伴う懸念に対処するため「Built Together」プログラムとデータセンター公約を発表した。全米で100件以上の建設計画停止案が検討される中、同社はデータセンター1カ所の平均日消費水量が一般家庭42世帯分(1.3万ガロン未満)にとどまり、非常用発電機の稼働も年10時間程度だと強調。地域コミュニティへの巨額の税収効果をアピールした。

米アマゾンがデータセンター公約発表、水消費や汚染巡る批判に反論
画像:aboutamazon.com

かつて全米に張り巡らされた州間高速道路網は、巨額の税金を投じて建設されました。それから70年が経ち、AIの爆発的普及に伴って進むデータセンターの建設ラッシュは、民間企業が全額を負担する形で進められています。

しかし、急激な敷地拡大は各地で激しい反発を招いています。現在、全米で100件以上のデータセンター建設一時停止(モラトリアム)案が審議される中、Amazonは10月2日、「Built Together」と呼ばれる新たな地域協定プログラムを発表しました。水資源の独占、電気料金の高騰、非常用発電機による大気汚染といった批判に対し、具体的な数字を挙げて反論しています。

水・電力・排気の誤解を数字で解く

反対派から最も批判されやすいのが水消費です。一般的なデータセンターが1日あたり500万ガロンを消費しているという噂に対し、Amazonは業界平均でも約17万ガロンにとどまり、自社施設に至っては1日平均1万3000ガロン未満だと主張しました。これは米国のわずか42世帯分の水使用量に相当し、米国内のゴルフ場全体が使う水の量はAmazonの全データセンターの約200倍に達するとしています。

また、データセンターが住民の電気代を押し上げているという指摘に対しては、送電網の老朽化が主因だと反論しました。米国内の送電線の約70%は25年以上前に設置されたものであり、Amazonは電力会社と直接連携して変電所や送電網の改修費用を負担しているため、中長期的にはむしろ住民負担を軽減できると説明しています。

停電対策の非常用ディーゼル発電機についても、稼働許可証に書かれた最大排出量だけが独り歩きしていると指摘しました。実際には年間の99.9%は待機状態で、点検テストを含めても稼働は年間約10時間程度です。最新の排出基準を満たしているため、施設1カ所の年間窒素酸化物排出量はシアトルとロンドンを往復する航空機1便分にすぎないと説明しました。

地域に落とす巨額の税収

厳しいデータを並べる一方で、Amazonが強調するのが自治体にもたらす巨額の経済効果です。

過去3年間で、同社はデータセンターが拠点を置く米国内の地域社会に10億ドル以上を拠出してきました。インディアナ州セントジョセフ郡では、以前の土地利用なら120万ドル程度だった税収が、データセンター誘致により30億ドルを超えると試算されています。また、バージニア州ラウドン郡の調査では、データセンターからの税収がなければ、一般住民が支払う固定資産税は年間5800ドル跳ね上がると試算されています。

なぜ重要か

AI開発競争のボトルネックは、アルゴリズムから物理的な電力と土地の確保へと完全に移行しています。モデルを利用する開発者や企業にとっても、インフラが計画通りに稼働しなければ、計算コストの低減や新機能の展開スピードに直接影響が及びます。

Amazonが今回の動きで、データセンターを冷戦期の高速道路網のような「国の存亡をかけた重要インフラ」と位置づけた点は非常に巧みです。地域レベルの反対運動を、国家競争力に関わる課題へと引き上げることで、規制強化の波を食い止めようとする狙いが透けて見えます。

とはいえ、全国平均の数字を持ち出しても、乾燥地域や送電容量が逼迫した地方の住民が抱く不安を完全に拭い去ることはできません。巨額の税収という見返りがあるにせよ、生活環境への負荷を懸念する地域社会との摩擦は、今後もハイパースケーラー共通の大きな火種として残り続けるはずです。

情報源 (1)

  1. [1]
    aboutamazon.com(新しいタブで開きます)原文aboutamazon.com

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