OpenAIとAnthropicのCEO、集合写真で「手つなぎ」拒み拳上げ 対立象徴と話題に
インドのAIサミットで、OpenAIのサム・アルトマンCEOとAnthropicのダリオ・アモデイCEOが集合写真で手をつながず、並んで拳を掲げる一幕があった。モディ首相が登壇者を促す中で起きたこの気まずい瞬間は、生成AIの覇権を争う両社の激しい対立を象徴するものとしてSNS上で拡散している。

ビジネスの場において大人の対応を貫くのは簡単ですが、予想外のハプニングで本音が露呈してしまうこともあります。
インドで開催されたAIサミットの壇上で、OpenAIのサム・アルトマンCEOとAnthropicのダリオ・アモデイCEOが集合写真で手をつながず、並んで拳を掲げる一幕がありました。
壇上にはインドのモディ首相やGoogle・Alphabetのスンダー・ピチャイCEOらも並んでいました。モディ首相がアルトマン氏とピチャイ氏の手を取り、登壇者全員で手をつなぐよう促したものの、隣同士に立っていたアルトマン氏とアモデイ氏は手を取り合うことなく、ぎこちなく別々に拳を突き出しました。
SNSで即座にミーム化
この気まずい決定的瞬間は、すぐさまネット上で拡散し、業界関係者の格好のネタとなりました。
AIスタートアップPuch AIの共同創業者シッダールト・バティア氏はX上で「AGIはいつ来るのか?ダリオとサムが手をつないだ日だ」と投稿しました。ベンチャーキャピタルa16zのパートナーであるジャスティン・ムーア氏も「犬猿の仲の相手とグループワークを強制された瞬間」との言葉を添えて画像を共有しました。
アルトマン氏は後に記者団に対し、モディ首相に突然手を握られて戸惑い、何が起きているのかよく分からなかったと述べて場を和ませようとしました。
激化するライバル関係の表れ
しかし、この仕草を単なる勘違いと受け止める人は多くありません。両社は生成AI市場で最も激しく火花を散らすライバルだからです。
アモデイ氏は元々OpenAIの幹部でしたが、会社の方向性を巡る対立から研究者仲間とともに2021年に退社し、安全性を最優先に掲げるAnthropicを立ち上げました。現在両社は数十億ドルの資金を調達し、一般ユーザーと法人契約を奪い合っています。
先月には、AnthropicがスーパーボウルのCM枠で、OpenAIが無料ユーザーなどを対象に進めている広告テスト計画を当て擦る広告を放映しました。アルトマン氏はこれを不誠実であり欺瞞的だと猛反発していました。
サミットでの基調講演でも二人の主張は対照的でした。アモデイ氏がAIの自律的暴走や雇用への打撃といった深刻なリスクを強調したのに対し、アルトマン氏は社会的な回復力を重視すべきだとし、単独の研究所だけで良い未来を築くことはできないと語りました。
なぜ重要か
握手しなかったあの瞬間は、生成AI業界が「友好的な探究」のフェーズを終え、冷徹な生存競争に入ったことを雄弁に物語っています。
ユーザーや開発者にとっては、この激しい対立は好ましい状況です。ChatGPTとClaudeが覇権を競い合うことで、機能追加や料金競争のスピードが落ちず、より良い選択肢が手に入ります。広告導入を巡る論争も、どちらのビジネスモデルが支持されるかを測る良い試金石になります。
業界全体から見れば、かつて同じ研究室にいた天才たちが、今や莫大な資本とプライドを背負って全面衝突している現実を改めて突きつけられました。
私たちは、この微妙な距離感こそが現在のAI市場の健全さを保っていると考えます。表面的に手を組んで協調路線を演じるよりも、明確に異なる思想とビジネス手法で競い合うほうが、技術の急速な進化と安全性の議論の両方にとってプラスに働くはずです。
情報源 (1)
- cnbc.com(新しいタブで開きます)原文cnbc.com