アリババが「Mobile-Agent-v3.5」公開:PC・スマホ・Web を横断操作
アリババがマルチプラットフォーム対応の GUI エージェント「Mobile-Agent-v3.5」を公開した。Qwen3-VL ベースの基底モデル「GUI-Owl-1.5」(2B〜235B)を採用し、PC・モバイル・Web の知覚から操作までを統合。20 以上のベンチマークで最高スコアを記録し、重みとデモも提供されている。

AI に作業を任せようとするとき、最も面倒なのは画面ごとの行き来です。Web で調べた数値をデスクトップソフトに手作業で貼り付け、スマホアプリの情報は PC から見えない。アリババが公開した新しいエージェントは、この分断を解消しようとしています。
アリババはマルチプラットフォーム対応の GUI エージェント「Mobile-Agent-v3.5」をオープンソース化しました。頭脳を担うのは、Qwen3-VL を基盤に構築された「GUI-Owl-1.5」シリーズです。軽量な 2B から最大 235B までのパラメータサイズを用意し、Instruct 版と Thinking 版の双方を展開。20 以上のベンチマークで SOTA を記録しました。
スマホ、PC、ブラウザをひとつの頭脳で動かす
これまでの自動化ツールは、ブラウザ拡張機能やスマホのアクセシビリティ連携など、単一の環境に閉じがちでした。Mobile-Agent-v3.5 は端的なマルチモーダル設計を採用し、デスクトップ、モバイル、ブラウザの知覚、要素特定、推論、行動実行をシームレスに統合しています。
公開されたデモでは、複数のアプリをまたぐ連続操作が実証されています。Edge ブラウザで株価を調べた後に WPS Office を立ち上げて表を作成し、A 列に銘柄名、B 列に株価を自動入力するといったタスクを難なくこなします。
旅行アプリで広州発成都行きの最安航空券を探した後に同区間の鉄道運賃を調べて比較したり、複数の SNS アプリを順に巡回して指定アカウントの総フォロワー数を合算したりする動作も可能です。長時間のタスクを支えるメモリ機能や、MCP によるツール呼び出しにも対応しています。
重みとデモの公開状況
GUI-Owl-1.5 のモデル重みやコード、技術レポートは Hugging Face で公開されています。ローカルに環境を構築しなくても、ModelScope や百錬プラットフォーム上で推論 API やオンラインデモが利用可能です。無影クラウドスマホ環境とも連動しており、手元に実機を用意せずともクラウド上で動作を試すことができます。
なぜ重要か
GUI エージェントが個別の画面自動化ツールから、OS を横断する共通基盤へ進化しつつあることを示しています。特に注目すべきは、2B から 235B まで揃えたモデル構成です。
軽量モデルは将来的な端末側での高速実行に向いており、巨大な 235B モデルはクラウド側で複雑な業務フローを処理するのに適しています。プラットフォームごとに異なる自動化スクリプトを書く手間が大幅に省けるため、開発者や業務自動化を進めたいチームにとっては試す価値が高い選択肢になります。
課題となるのは、動的に変わる実環境の UI における誤操作のリカバリです。1 回のクリックミスが全体の停止につながるリスクは依然として残りますが、モバイルと PC の壁を壊して統一的な操作基盤を提示した点で、非常に実践的な一歩だと評価できます。
情報源 (1)
- github.com(新しいタブで開きます)原文github.com