アリババが「Qwen3.5-Omni」公開:カメラに向かって話すだけでWebアプリ生成
アリババのQwenチームはネイティブ全モーダルモデル「Qwen3.5-Omni」を発表した。テキスト、画像、音声、動画を同時に処理でき、カメラに構想を話すだけでサイトやゲームを生成する「音声視覚Vibe Coding」を搭載。最大10時間の音声認識に対応し、音声性能でGemini-3.1 Proを上回る。

ウェブサイトやゲームを作るとき、画面のスケッチを見せながら声で指示するだけで、その場で動くコードが組み上がる世界が近づいてきました。
AlibabaのQwenチームは、テキスト、画像、音声、動画をネイティブに同時処理できる新モデル「Qwen3.5-Omni」を発表しました。一部報道では「Qwen3.Omni」とも呼ばれており、ラインナップはPlus、Flash、Lightの3種類で展開されます。
目玉となっているのが「Audio-Visual Vibe Coding」と呼ばれる機能です。カメラに向かって手振りを交えながらアイデアを声で語りかけるだけで、最上位のQwen3.5-Omni-Plusが即座に動作するウェブサイトやミニゲームを構築します。
長時間処理とGeminiとの比較
Qwen3.5-Omniは、複数の単機能モデルを繋ぎ合わせたものではなく、1億時間以上のデータで学習されたネイティブな全モダリティ対応モデルです。
オフライン処理では、最大10時間の音声データ、あるいは720p解像度で400秒までの動画をそのまま読み込むことが可能です。動画のタイムスタンプやシーンの切り替わり、話者の特定まで含めたスクリプト精度の字幕生成にも対応します。
音声認識は113言語、音声出力は36言語をカバーしており、性能面ではGoogleのGemini-3.1 Proに対して音声分野で上回り、音声・映像の統合理解では同等レベルに達したとされています。
リアルタイム対話の進化と提供形態
動画や音声のリアルタイム対話機能も強化されました。従来の音声AIでストレスになりがちだった割り込み検知が改善され、周囲の雑音を無視しながらユーザーの真の発話意図を汲み取ってターン制御を行います。
さらに、リアルタイムで感情や話速、音量を調整できるほか、ウェブ検索や複雑な関数呼び出しも標準で組み込まれています。短い音声サンプルから声を再現するボイスクローニング機能も予告されています。
すでにchat.qwen.aiやHugging Face上でデモが公開されており、Alibaba CloudのModel Studioを通じてオフラインおよびリアルタイムAPIの利用も始まっています。
なぜ重要か
一般の開発者やクリエイターにとって、手元のホワイトボードや紙のラフをカメラにかざしながら声で修正を指示できる体験は、プロトタイピングのスピードを大きく引き上げます。テキストで細かく指示文を書く手間に煩わされていた人なら、すぐにデモを試してみる価値があります。
業界全体から見れば、これまでOpenAIやGoogleが先行していたリアルタイム・マルチモーダルの領域において、Gemini-3.1 Proに匹敵・凌駕する水準をQwenシリーズが打ち出してきた点は大きな圧力となります。競合各社もマルチモーダル対話の低遅延化や価格引き下げを迫られるはずです。
今回の発表は、単なるベンチマーク自慢にとどまらず、雰囲気でコードを書くバイブコーディングという直感的なユースケースに落とし込んだ点が巧みだと評価できます。一方で、720p動画の入力上限が400秒にとどまっている点や、ボイスクローニングの正式提供が控えている点など、実運用の負荷にどこまで耐えられるかは今後の検証が必要です。
情報源 (1)
- @Alibaba_Qwen(新しいタブで開きます)原文x.com