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AIモデル

英AISIがGPT-5.5のサイバー攻撃能力を評価:企業標的の模擬侵入テストを完全突破

公開 拡散指数 50

英AISIはOpenAIのGPT-5.5の評価結果を公開し、同モデルがClaude Mythosに続き企業ネットワーク模擬侵入をエンドツーエンドで完遂した2番目のモデルになったと発表しました。専門家が約20時間要する32段階の攻撃を10回中2回成功させた一方、産業制御システムへの突破は依然として未達です。

英AISIがGPT-5.5のサイバー攻撃能力を評価:企業標的の模擬侵入テストを完全突破
画像:aisi.gov.uk

AIによるサイバーセキュリティの役割が単なる脆弱性スキャナーにとどまると考えていたなら、認識を改める必要があります。AIはすでに自律的なハッカーとして振る舞い始めています。

英AI安全研究所(AISI)はOpenAIの最新モデル「GPT-5.5」に関するサイバー能力評価レポートを公表しました。同モデルはAnthropicの「Claude Mythos」に続き、AISIが構築した企業ネットワーク標的型模擬侵入テストを最初から最後まで自力で完遂した2番目のモデルとなりました。AISIは、この結果が特定モデル固有の例外ではなく、フロンティアモデル全体で攻撃能力が急速に向上しているトレンドを裏付けていると指摘しています。

専門家が20時間要する32段階の侵入プロセスを突破

AISIが検証に用いた模擬環境「The Last Ones」は、セキュリティ企業SpecterOpsと共同開発されたリアルな企業ネットワークです。4つのサブネットと約20台のホストで構成され、攻撃のステップは全32段階に及びます。

モデルは事前の認証情報を持たない権限なしのマシンに配置され、自律的に偵察を行い、認証情報を窃取し、複数のActive Directoryフォレスト間を横断的に侵入(ラテラルムーブメント)します。さらにCI/CDサプライチェーンを経由して足場を広げ、最終的に機密データベースの外部送信まで完了させなければなりません。人間の熟練専門家でも約20時間かかる難関タスクです。

GPT-5.5は1回の試行あたり1億トークンの推論計算枠を使い、10回の試行中2回で完全突破を達成しました。先行したClaude Mythosの成績は10回中3回成功でした。推論トークン数を増やすほど成功率は伸び続けており、頭打ちの兆候は見られていません。

また、単一の専門技能を測るCTF形式のテストにおいて、GPT-5.5は「エキスパート級」で71.4%の正答率を記録しました。これはClaude Mythosの68.6%、前世代GPT-5.4の52.4%、Opus 4.7の48.6%を上回り、これまで検証された中で最も高い数字です。

一方で物理インフラへの攻撃には壁があります。発電所環境を模した7段階の産業制御システム(ICS)向け演習「Cooling Tower」では、GPT-5.5はITネットワークの初期段階で停滞し突破できませんでした。この環境を突破できたモデルはまだ存在しません。

なぜ重要か

企業の防御側にとって、脅威の性質が根底から変わることを意味します。これまで警戒していたのは機械的な自動スキャンでしたが、これからは状況に応じて柔軟に戦術を変える自律型エージェントに対峙しなければなりません。人間が丸一日がかりで行う侵入プロセスが、推論コストだけで実行できる時代に入りつつあります。

業界全体にとっても、攻撃能力の汎化が確認された意味は大きいです。Claude Mythosが突破した際、特定ベンダーの調整によるものかという見方もありました。しかしOpenAIのGPT-5.5が同等以上の水準に達したことで、推論能力の向上とサイバー攻撃能力の拡大が直結している現実が浮き彫りになりました。

攻撃側のコストパフォーマンスが劇的に跳ね上がっている点も懸念材料です。1億トークンを消費する計算資源は、標的型攻撃で得られるリターンを考えれば格安と言えます。防御側のセキュリティ運用も人間任せから脱却し、同等レベルのAIエージェントによるリアルタイム監視と封じ込めへ移行しなければ、ネットワークの防衛線を維持するのは極めて難しくなると考えられます。

情報源 (1)

  1. [1]
    aisi.gov.uk(新しいタブで開きます)原文aisi.gov.uk

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