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業界動向

250億ドル調達の裏で進むGPU争奪戦、AIブームに弾ける兆候

公開 拡散指数 48

Cointelegraphの分析記事は、2023年上半期に250億ドル以上を調達した生成AI市場がバブル崩壊の兆しを見せていると指摘しています。多くの新興企業は独自IPを持たず巨額資金を高価なGPU確保に注ぎ込んでおり、ChatGPTのトラフィック減少や人員削減も表面化しています。

250億ドル調達の裏で進むGPU争奪戦、AIブームに弾ける兆候
画像:cointelegraph.com

2022年末の暗号資産市場の暴落以降、行き場を失ったベンチャーキャピタルの資金は、ChatGPTの登場とともに一気に生成AIへと流れ込みました。2023年上半期だけで、AI分野のスタートアップが調達した資金は250億ドルを突破しています。

しかし、この過熱した市場の裏では、巨大なバブルが崩壊へと向かう兆候がすでに現れ始めています。

調達資金の行き先は研究開発ではなくGPU

PitchBookの調査によれば、投資家の74%が少なくとも1社のAIスタートアップに出資しており、14%は6社以上に分散投資しています。チャットボット「Pi」を開発するInflection AIは評価額40億ドルで13億ドルを調達し、Anthropicは4億5000万ドル、Mistral AIにいたっては実用製品も概念実証もない状態で1億1300万ドルのシード資金を手にしました。

しかし、調達された巨額の資金は、従来のソフトウェア事業のような研究開発や顧客開拓にはほとんど回っていません。その大半は、Nvidiaなどの高性能GPUを買い占めるために消費されています。

業界の分析によると、中国の大手テック企業を除いても、市場では約43万2000基のH100 GPUが求められています。1基あたり約3万5000ドルで計算すると、チップの確保だけで約150億ドルが吹き飛ぶ計算です。かつてGPT-4の学習に使われたA100が1万〜2万5000基程度だったことを見ても、現在の需要は常軌を逸しています。元テスラAI責任者のアンドレイ・カルパシー氏も「誰がいつ何枚のH100を手に入れたかが谷の一番のゴシップだ」と指摘するほどです。

API依存の限界とトラフィック減少

基底モデルを一から開発する企業を除けば、現在のスタートアップの多くはOpenAIのAPIを利用した「ラッパー(外枠)」に過ぎません。評価額15億ドルで1億2500万ドルを調達したJasper AIはその典型例ですが、独自IPを持たないビジネスモデルは極めて脆弱です。

ブームが一服したことで、Jasperは人員削減を余儀なくされ、別のAI新興企業Mutinyも従業員の約30%を解雇しました。

さらに、市場の主役であるChatGPT自体のトラフィックも初めて減少に転じ、GoogleのBardやMicrosoftのBingも勢いを欠いています。スタンフォード大学の研究では、GPT-3.5やGPT-4の特定タスクにおける精度が時間とともに大幅に低下しているという報告も出ており、技術的な信頼性にも疑問符が付き始めています。

なぜ重要か

私たちは、この分析が指摘する通り、現在のAIブームの多くが「GPUの奪い合い」を「事業の参入障壁」と勘違いしている点に深刻な危うさがあると考えます。投資家から調達した資金がそのままNvidiaやクラウド事業者に素通りしているだけで、スタートアップの手元に独自の知的財産が残らない構造は健全とは言えません。

開発者やユーザーにとって、APIを呼び出すだけの安易なツール開発はすでに限界を迎えています。独自のデータ基盤や業務フローへの深い統合がなければ、モデル提供元による機能追加ひとつで事業基盤が消し飛びます。

業界全体で見れば、GPUの需給逼迫は2024年末までに正常化すると予測されています。ハードウェアの希少性という錯覚が消え、資金調達のハードルが上がったとき、実際の収益力を持たない企業から脱落していくはずです。業界レポートのトーンダウンや数社の破綻をきっかけに、この250億ドルの狂乱が一気に冷え込む可能性は十分にあります。

情報源 (2)

  1. [1]
    cointelegraph.com(新しいタブで開きます)原文cointelegraph.com
  2. [2]

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