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詐欺師をイラつかせる「AIおばあちゃん」:英O2が開発、電話を40分引き伸ばす

公開 拡散指数 34

英Virgin Media O2は特殊詐欺対策AI「Daisy」を発表した。78歳のおばあちゃんを演じ、老眼鏡を探したり菓子のレシピを語ったりして時間を浪費させ、詐欺師を最長40分間拘束して被害を防ぐ実験的プロジェクトだ。

詐欺師をイラつかせる「AIおばあちゃん」:英O2が開発、電話を40分引き伸ばす
画像:theguardian.com

詐欺電話の犯人にとって、最も恐ろしい天敵が現れました。それは警察ではなく、編み物の図面やスコーンの焼き方について延々と話し続けるイギリスの「おばあちゃん」です。

英通信大手ヴァージン・メディア O2 は、詐欺グループを撃退するために開発した対話型 AI「Daisy」を公開しました。自称「78 歳の若輩者」であるデイジーの任務は、騙されることではなく、犯人の時間を徹底的に奪うことです。

スコーンのレシピで詐欺師を翻弄

デイジーは実際の詐欺通話データで訓練されており、犯人が次にどんな手口を使ってくるかを熟知しています。相手が焦って個人情報を引き出そうとするほど、デイジーはとぼけて昔話を始めます。

公開された音声では、パソコンがウイルスに感染したと嘘をつき、遠隔操作を迫る犯人に対し、デイジーは老眼鏡を探し回ったり、電源ボタンの場所がわからないと迷ったりして時間を稼ぎます。

Google Play ストアをダウンロードするよう指示された際には、ストアをペストリー(焼き菓子)と聞き間違え、地元においしいスコーンはあるかと呑気に尋ね返しました。激怒した犯人が「こちらの邪魔をするのが仕事なのか」と怒鳴っても、デイジーは悪びれずに少しおしゃべりをしたかっただけと返します。

この実験にあたり、O2 は著名な詐欺バスター(scam baiter)であるジム・ブラウニング氏と協力しました。詐欺師がターゲットを探す怪しい当選サイトなどにデイジーの電話番号を仕掛けたところ、数日で着信が相次ぐようになりました。

デイジーは相手を 1 通話あたり最長 40 分間も引き留めることに成功しました。犯人側は組織的なコールセンターを運営しているため、1 人で手に負えないと別の担当者へ転送します。あるケースでは、デイジーは 4 人の詐欺師をたらい回しにされながら全員の時間を空費させました。

なぜ重要か

今回の取り組みが優れているのは、防犯を「守り」から「相手のコストを増大させる攻め」へ転換させた点にあります。電話詐欺は成約率と手数の勝負です。AI が犯人を 40 分拘束すれば、その間に実在の高齢者が被害に遭う確率を直接引き下げることができます。

ただし、デイジーは現時点で一般ユーザーが自分のスマホに導入できるサービスではなく、啓発を目的とした実験にとどまります。一部の犯人は最終的に相手が AI だと気づいており、詐欺グループ側も AI 検知ツールを導入するいたちごっこが予想されます。将来的に「AI 詐欺師対 AI おばあちゃん」の不毛な会話が回線を埋める懸念も拭えません。

とはいえ、通信キャリアがインフラ側でこのような「囮 AI」を展開する可能性を示した意義は大きいです。怪しい通話が自動的にこうしたボットへ誘導される仕組みが実用化されれば、電話詐欺ビジネスの採算を一根本から崩す武器になると私たちは考えます。

情報源 (1)

  1. [1]
    theguardian.com(新しいタブで開きます)原文theguardian.com

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