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AIにパスワード生成を任せてはいけない?米セキュリティ企業が警鐘

公開 拡散指数 48

米セキュリティ企業Irregularの検証により、ChatGPTやClaude、Geminiが生成するパスワードは予測が容易で脆弱であることが判明した。Claudeでは50個中18個が完全に同一の文字列だった。LLMは統計的な確率に基づいて出力するため真のランダム性を生み出せず、プロンプトの工夫でも解決しないという。

AIにパスワード生成を任せてはいけない?米セキュリティ企業が警鐘
画像:techspot.com

パスワードを考えるのが面倒で、ChatGPTやClaudeに適当な文字列を作ってもらった経験があるなら、今すぐ変更したほうがいいかもしれません。

セキュリティ企業Irregularの最新調査によると、ChatGPT、Claude、Geminiが生成したパスワードは、一見複雑に見えるものの極めて規則的で、簡単に推測・解読できることが判明しました。

AIが好む特定の文字列

研究チームは主要なモデルに対し、英数字と記号を含む6文字の安全なパスワードを生成するよう指示しました。

しかし、Claude Opus 4.6に50個のパスワードを作らせたところ、重複しない結果はわずか30個にとどまりました。20個が重複しており、そのうち18個は完全に同一の文字列でした。

さらに問題だったのは、生成される文字の強い偏りです。Claudeが生成したパスワードはほぼ必ず英大文字の「G」で始まり、2文字目はほぼ決まって数字の「7」でした。また、「L」「9」「m」「2」「$」「#」といった文字が毎回のように登場する一方で、アルファベットの大半は一度も使われませんでした。

ChatGPTも同様で、ほぼすべてのパスワードが小文字の「v」から始まり、半数近くが2文字目に大文字の「Q」を選びました。Geminiは「k」で始まる傾向が強く、2文字目には「#」「P」「9」のいずれかが頻繁に選ばれていました。

また、生成された50個のパスワードには同一文字の重複が一切含まれていませんでした。一見すると散らばっているように見えますが、確率統計的にはかえって不自然であり、真のランダム性がない証拠です。

仕組み上、プロンプトでは直せない

なぜこのような現象が起きるのでしょうか。原因は大規模言語モデルの構造そのものにあります。

LLMは統計的な確率に基づいて、人間にとってそれらしく見える妥当な出力を生成するように訓練されています。しかし、パスワードの強度に必要なのはエントロピー、つまり完全な予測不可能性です。

人間も「E」を「3」に置き換えるような予測しやすい癖を持ちがちですが、AIも似たような弱点を受け継いでいます。Irregularは、プロンプトを工夫したりパラメーターの温度を調整したりしてもこの問題は解決しないと指摘し、LLMにパスワードを生成させるべきではないと警告しています。

なぜ重要か

この発見は、AIを万能ツールとして過信してはならないという教訓を与えてくれます。一般ユーザーは今すぐチャットボットでのパスワード生成をやめ、OS標準のキーチェーンや専用のパスワードマネージャーを使うべきです。

さらに警戒すべきは、開発現場での影響です。近年普及しているコーディングエージェントが、初期設定のシークレットキーや仮パスワードの生成をLLMに任せてしまうリスクがあります。攻撃者は大がかりな計算資源を使わなくても、AI特有の出力パターンに絞った辞書攻撃を行うだけで、認証情報を破れるようになってしまいます。

モデルは安全そうな見た目を模倣することには長けていますが、安全性の本質であるランダム性を提供することはできません。暗号処理には、昔ながらの数学的に検証された専用アルゴリズムを使うべきだと私たちは考えます。

情報源 (1)

  1. [1]
    techspot.com(新しいタブで開きます)原文techspot.com

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