Yutori、PC操作AI「Navigator n2」発表 GUIとCLIを自律併用
Yutoriは27B規模のPC操作モデル「Navigator n2」を発表した。Windows、macOS、Linux上でGUI、シェル、コード作成を使い分け、OSWorld-Verifiedで85.3%を記録。安価なAPIとして提供される。

デスクトップ自動化に取り組む AI の多くは、人間と同じように画面を見つめ、マウスを動かし、ボタンをひとつずつクリックしてきました。
AI スタートアップの Yutori は 8 月 26 日、デスクトップ操作に特化した 27B パラメータの新モデル Navigator n2 を発表しました。
従来の n1 や n1.5 がブラウザ操作に特化していたのに対し、n2 は Linux、macOS、Windows の各デスクトップ全体を操作できます。最大の特徴は、GUI のクリック操作、ターミナルのコマンドライン、外部ツール呼び出し、短いコードの実行を状況に応じて柔軟に組み合わせる点にあります。
GUI に縛られない「コンピュータネイティブ」なアプローチ
例えば 100 枚の画像ファイル名を一括変更する場合、人間なら GUI で 100 回右クリックを繰り返す代わりにシェルでループ処理を書くはずです。n2 はまさにこの判断を自律的に行います。視覚的な確認が必要な場面でのみアプリ画面を操作し、システム処理はコマンドラインに任せることで、無駄な操作ステップを削減します。
ベンチマーク性能でも最先端の大規模モデルと競合しています。複雑な実環境ワークフローを評価する OSWorld 2.0 では 65.2% を記録し、GPT-5.6 Sol の 62.6% や Claude Fable 5 の 66.1% を上回り、Claude Opus 5 の 70.6% に迫りました。GUI とコード実行の組み合わせを試す WeaveBench では 70.3%、OSWorld-Verified では 85.3% に達しています。
学習には、エージェント自身を活用してタスクと環境検証器を自動生成する自己改善ループを導入しました。過去 2 カ月で 1 万件以上の実践的なタスクを収集し、強化学習とオンライン自己蒸留(OPSD)を組み合わせることで、従来の学習方式に比べ約 4 倍の高速化を実現したとしています。
API 価格は入力トークン 100 万件あたり 0.5 ドル(キャッシュ時は 0.05 ドル)、出力トークン 100 万件あたり 4 ドルで提供されます。
なぜ重要か
私たちは、PC 操作エージェントを「画面のボタンを押すだけのロボット」から解放した点が非常に合理的だと考えています。
デスクトップ自動化の導入を検討している開発者にとって、従来のフロンティアモデルを使った画像ベースのエージェントは動作が遅く、API コストも高すぎる点が壁になっていました。27B という扱いやすい規模で、キャッシュ利用時に 100 万入力 0.05 ドルという低価格を実現した n2 は、実務ワークフローのプロトタイプを試す価値が十分にあります。
業界全体にとっても、画面認識だけに依存するアプローチの限界を突きつけ、シェルやコードを活用するハイブリッド型の有用性を示す動きと言えます。
一方で、ローカルのターミナル操作やコード実行を許可するモデルは、誤動作した際のシステムへの影響範囲が GUI 操作以上に大きくなります。企業導入にあたっては、厳格なサンドボックス環境と権限管理の設計が不可欠になるはずです。
情報源 (1)
- yutori.com(新しいタブで開きます)原文yutori.com