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研究

X-Gen Labs、生成型世界シミュレーション発表:「道」が世界を動かし「鏡」が主観を描く

公開 拡散指数 36

X-Gen Labsは生成型世界シミュレーション「JING(鏡)」と「DAO(道)」を発表した。次フレームを予測するだけの動画生成と異なり、DAOが背後で共有世界の状態やNPCの自律行動を維持し、JINGが一人称視点を生成する。現在は研究プレビュー段階。

画像:xgenlabs.ai

現在「世界モデル」と呼ばれているものの多くは、実質的には高機能な動画生成AIに過ぎない。見た目がどれほどリアルでも、視点を一度後ろに向けて元に戻せば、さっきまであったオブジェクトが消えていたり別の物に変わったりしてしまう。画面の背後に「持続する世界」が存在していないからだ。

X-Gen Labsはこの課題に挑む生成型世界シミュレーションプロジェクト「DAO(道)」と「JING(鏡)」を発表した。

バックエンドで物理を動かし、フロントで視点を描く

分かりやすく言えば、DAOがゲームエンジンで、JINGがプレイヤーの目を追うカメラだ。

DAOは共有された世界の状態とルールを管理する計算エンジンだ。誰かが行動を起こすと世界の状態を更新し、プレイヤーが見ていない場所でもNPCなどのエージェントが自律的に意思決定して動き続ける。そのため、一度立ち去ったエリアに後から戻ってきても、世界の連続性が保たれる。

一方のJINGは、主観的なインタラクティブ体験を担うモデルだ。DAOから提供された局所的な状態情報とプレイヤーの過去の操作履歴をもとに、一人称視点の映像や音響を生成する。

この設計の大きな強みはマルチプレイヤーの整合性にある。同一の環境内に存在する3人の異なるキャラクター視点でも、共有された世界の出来事が破綻なく一貫して描かれる。VO3やGenie 3といった既存の世界モデルと比べても、状態管理システムを独立して備えているのは本プロジェクトだけであり、計算資源さえあれば数秒で途切れることなく持続的な生成が可能だ。

ローカル動作には67GB、ただしドリフトの課題も

本プロジェクトは現時点では研究プレビューの位置付けだが、Jingモデルのコードとローカル実行手順はGitHubで公開されている。

ただし導入のハードルは高い。映像生成の基盤としてMiniMax H3をファインチューニングして使用しているため、モデルサイズは約67GBに達する。一般的な個人用PCで動かすのは難しく、軽量な量子化バージョンの登場が待たれる状況だ。

また、課題も率直に明かされている。素早いカメラ操作や激しい動きが加わると操作精度が低下し、シミュレーションを長時間続けると空間関係や細部の描写、文脈がずれる「ドリフト現象」が発生しやすい。リアルタイム性や遅延の改善も今後の課題とされている。

なぜ重要か

私たちは、X-Gen Labsが「次フレームの予測だけで世界をシミュレートする」というアプローチから一歩引いた点を高く評価している。

動画生成モデルに世界の因果律やすべての記憶を一度に背負わせるのは構造的に無理がある。状態の保持とルールの適用をDAOに任せ、主観の知覚描画をJINGに分担させるという分離は、持続的な仮想社会を構築する上で極めて合理的だ。

ゲーム開発者やメタバース領域にとって、これは単なる背景生成ではなく、プレイヤーがログアウトしていても自律的に歴史を刻み続けるNPCや社会を生成できる可能性を示している。

もちろん、67GBという巨大な容量や長時間の整合性の崩れを考えれば、今すぐ実用的なゲームエンジンとして使えるわけではない。だが、単なる数秒の「夢」を見せる映像生成から、背後で動き続ける「本物の世界」へと競争の軸を移した意義は小さくない。

情報源 (2)

  1. [1]
    xgenlabs.ai(新しいタブで開きます)原文xgenlabs.ai
  2. [2]
    youtube.com(新しいタブで開きます)報道youtube.com

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