本文へスキップ
IFAI

画像・動画生成

李飛飛氏のWorld Labs、1枚の写真から操作可能な3D空間を生成するAIを発表

公開 拡散指数 39

フェイフェイ・リー氏率いるWorld Labsは、1枚の画像からブラウザ上で散策できる3D空間を生成するAIを公開した。物理法則に従い一貫性を保った空間をキーボードとマウスで移動できる。探索範囲はまだ狭いものの、世界モデルの新たな実用性を示した。

李飛飛氏のWorld Labs、1枚の写真から操作可能な3D空間を生成するAIを発表
画像:techcrunch.com

1枚の写真をブラウザに放り込むだけで、まるでゲームの世界に入り込んだかのようなインタラクティブな3D空間が立ち上がる。AI研究の第一人者であるフェイフェイ・リー氏が立ち上げたWorld Labsが、初のプロジェクトを公開しました。

今年初めに設立された同社は、a16zやIntel Capital、AMD Ventures、エリック・シュミット氏などから2億3000万ドルを調達し、すでに企業評価額は10億ドルを超えています。

写真の「その先」を歩き回れる世界モデル

写真を3D化する技術自体は以前から存在しますが、World Labsのモデルは生成された空間を探索し、編集できる点が大きく異なります。

現在公開されているブラウザ上のデモでは、キーボードとマウスを使ってシーン内を移動できます。カメラ操作はもちろん、被写界深度(DoF)のスライダーを動かして背景のボケ味を調整することも可能です。

同社が注力しているのは、近年注目を集める「世界モデル」と呼ばれる領域です。先行する生成AIの多くは2次元のピクセルを扱っているため、視点を変えると整合性が崩れがちでした。最近話題になったDecartのMinecraft再現モデル「Oasis」も、少し移動すると地形を忘れてしまう問題を抱えています。

これに対し、World Labsのアプローチは空間の整合性と物理法則を維持することを重視しています。一度生成された空間は形を保ち、奥行きと実体感を持ち続けます。さらに、光源の位置を変えたり物体の色を塗り替えたりといった動的な編集も可能です。

もっとも、現段階ではあくまで初期プレビューです。グラフィックはややカートゥーン調で、移動できる範囲は狭い見えない壁に囲まれています。物体同士が不自然に融合してしまうレンダリングの破綻も散見されます。

なぜ重要か

私たちは、World Labsが動画生成AIの泥沼の競争から一歩引き、最初から完全な3D空間の整合性に舵を切った判断は極めて合理的だと考えています。

現在主流の動画生成モデルは、見た目こそリアルですが本質的には2次元のピクセルの並び替えにすぎません。ゲーム開発や映画のプリプロダクションで使おうとしても、カメラアングルを変えた瞬間に背景の構造が狂ってしまうため、現場の制作パイプラインには組み込みにくいのが現実でした。

World Labsのアプローチが実用レベルに達すれば、コンセプトアート1枚から背景アセットのプロトタイプが一瞬で立ち上がるようになります。同社は2025年に最初の商用製品をリリースする計画ですが、ゲームスタジオや映像制作会社の初期コストを大幅に削る可能性があります。

ただし、現時点のデモを見る限り、クリエイターが今すぐ業務に導入できる段階ではありません。見えない境界線と描画エラーの存在は、モデルが画角の外側を完全に理解しきれていないことを示しています。

2025年の正式ローンチでどこまで解像度と自由度を引き上げられるか。単なる技術デモで終わるか、制作現場のデファクトスタンダードになるかの勝負はそこにかかっています。

情報源 (1)

  1. [1]
    techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com

毎日のAIピックアップ