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業界動向

米政府が「AIサイバー挑戦」発足:OpenAIやGoogleと脆弱性修復へ

公開 拡散指数 44

米バイデン政権は重要インフラを保護する2年間の競技会「AIxCC」を発表した。DARPA主導のもと、OpenAIやGoogleなどのAI大手と連携し、総額約2000万ドルの賞金を投じてAIによる自動脆弱性検出・修正技術を競わせる。成果は電力や交通の安全確保に活用される。

米政府が「AIサイバー挑戦」発足:OpenAIやGoogleと脆弱性修復へ
画像:bidenwhitehouse.archives.gov

米ラスベガスで開催されたセキュリティカンファレンス「Black Hat USA」において、米政府は新たな大規模プロジェクトを発表しました。

バイデン・ハリス政権は、重要インフラやインターネットを支える重要ソフトウェアの脆弱性をAIで自動検知・修正する2年間のコンペティション「AI Cyber Challenge(AIxCC)」を立ち上げました。

主導するのは国防高等研究計画局(DARPA)です。さらに特筆すべきは、Anthropic、Google、Microsoft、OpenAIという生成AI分野のトップ4社がパートナーとして参加し、自社の最先端技術や専門知識を参加者に提供する点です。

賞金総額約2000万ドル、DEF CON 2025まで続く戦い

今回のコンペティションには、総額で約2000万ドル近い賞金が用意されています。

大企業や著名な研究機関だけでなく幅広い参加を促すため、DARPAは参加を希望する中小企業向けに700万ドルの支援枠を確保しました。

スケジュールは2024年春の予選から始まります。上位20チームが世界最高峰のセキュリティ学会「DEF CON 2024」で開催される準決勝に進出します。

準決勝の上位最大5チームには賞金が授与され、翌年の「DEF CON 2025」での決勝戦に進みます。最終的にトップ3となったチームには、さらなる高額賞金が贈られます。

また、Linux Foundation傘下のOpenSSF(Open Source Security Foundation)がアドバイザーとして参画し、優勝した技術やコードがすぐに実際の重要ソフトウェア保護に適用される体制を整えます。

なぜ重要か

サイバーセキュリティの世界では長年、攻撃者は1つの穴を見つければよく、防御者はすべてを守らなければならないという非対称性が問題視されてきました。

オープンソースソフトウェアや重要インフラのコード保守に携わるエンジニアにとって、脆弱性の発見とパッチ適用をAIで自動化できる仕組みは大きな価値を持ちます。人手によるコード監査には限界があるため、この技術の実用化は防御側のコストを劇的に下げる可能性があります。

今回の取り組みにおいて、米政府の進め方は非常に合理的だと考えます。単に規制や理念を掲げるだけでなく、最前線のAI企業に基盤モデルの提供を義務付け、賞金と中小企業支援を用意してハッカーコミュニティに解かせるアプローチを採ったからです。さらにOpenSSFを巻き込むことで、成果物を机上の空論で終わらせず現場へ直結させようとしています。

ただし、懸念点がないわけではありません。コードの脆弱性を自動で見つけ出し修正できるAIは、見方を変えれば未知のゼロデイ脆弱性を自動で探索する攻撃ツールにも容易に転用できます。防御の自動化が先か、攻撃の自動化が先かといういたちごっこを、政府主導のコンペがさらに加速させる側面があることも見逃せません。

情報源 (2)

  1. [1]
    whitehouse.gov(新しいタブで開きます)原文whitehouse.gov
  2. [2]

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