本文へスキップ
IFAI

業界動向

ウェンディーズがGoogleと提携、ドライブスルーに注文用AIを導入へ

公開 拡散指数 35

米ファストフード大手のウェンディーズはGoogleの大規模言語モデルを活用した自動注文システム「Wendy's FreshAI」を発表した。専門用語を学習させ、6月にオハイオ州コロンバスの店舗で試験運用を開始する。

ウェンディーズがGoogleと提携、ドライブスルーに注文用AIを導入へ
画像:theverge.com

ドライブスルーのマイクに向かって注文を伝えたものの、聞き返されてうんざりした経験は誰にでもあるはずです。今度はその聞き取り役を、Google の大規模言語モデルが担うことになります。

The Wall Street Journal の報道によると、米ファストフード大手の Wendy's は Google と提携し、ドライブスルーの注文を自動で受ける AI チャットボットを開発しています。「Wendy's FreshAI」と名付けられたこのシステムは、6 月にオハイオ州コロンバスの店舗で試験導入される予定です。

専門用語の理解と、後部座席の子供の声を無視する難しさ

ドライブスルーの音声注文は簡単そうに見えて、実は技術的に極めて難関です。Google Cloud の Thomas Kurian 最高経営責任者は、車からマイクに話しかける処理は「AI にとって最も難しい問題の一つ」だと語っています。

まずクリアしなければならないのが、店舗独自の略語やメニュー表現です。Google のモデルは、顧客が「ミルクシェイク」と言ったら「Frosty」のことだと解釈し、「JBC」が「ジュニアベーコンチーズバーガー」を指していることや、「biggie bags」のようなセット名を正確に把握できるよう調整されています。

さらに過酷なのが車載環境のノイズです。アイドリング音はもちろん、後部座席に乗った子供の叫び声を無視しつつ、注文の途中で気が変わって言い直す顧客の言葉にもリアルタイムで追従しなければなりません。

AI が受け付けた注文はそのまま厨房スタッフの画面に転送され、商品の受け渡しは従来通り窓口で人間の従業員が行います。トラブルを防ぐため、6 月のテスト開始当初は従業員が裏でモニタリングし、AI がうまく聞き取れない場合は人間のスタッフに切り替えることも可能です。Wendy's の最高情報責任者である Kevin Vasconi 氏は、注文の複雑さを解消して従業員の負担を減らすのが目的であり、人員削減を意図したものではないと説明しています。

なぜ重要か

利用者にとっては、混雑時の待ち時間が短縮されるメリットが期待できます。ただ、お腹を空かせたドライバーが最も嫌うのは、機械の認識遅延や誤認識です。店内にあるセルフレジ端末の操作ですら戸惑う人が多い中で、AI との会話にストレスを感じる懸念は拭えません。まずは人間による監視と交代機能がどこまでスムーズに動くかが成否を分けそうです。

業界全体にとって、これは生成 AI の法人向け実用化を占う試金石になります。Google は自社の大規模言語モデルを企業固有のデータでカスタマイズするソリューションを売り込んでおり、今回の取り組みはその格好のショーケースです。もし騒音と口語表現が飛び交うドライブスルーという極限環境で運用が成り立てば、飲食や小売の現場における音声自動化の基準が一気に引き上がることになります。

Wendy's の手法は、人間を即座に介入できるバックアップに残した点で手堅い判断と言えます。一方で、AI に追加の注文提案まで担わせる方針には、利用者の反発を招かない丁寧な調整が求められると考えられます。

情報源 (1)

  1. [1]
    theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com

毎日のAIピックアップ