Uber、データアノテーション企業Segments.aiを買収 LiDARやロボティクス向けを強化
Uberのデータ事業部門Uber AI Solutionsは、LiDARやマルチセンサーデータのアノテーションを手がけるSegments.aiの買収を発表した。創業チーム全員が合流し、ロボットや自動運転向け開発を継続する。社内で培ったデータ基盤の外部提供を加速させる狙いだ。

Uberといえば配車やフードデリバリーのイメージが強いですが、その舞台裏には長年培われた膨大なデータ基盤が存在します。
今回、UberのAIデータサービス部門であるUber AI Solutionsが、データアノテーション新興企業のSegments.aiを買収したことを発表しました。狙いはLiDARやマルチセンサーデータのラベリング能力の強化です。
自動運転車からトラクターまでを手がけた精鋭
Segments.aiは2020年に設立されたスタートアップで、創業者のOtto Debals氏とBert De Brabandere氏を含むチーム全員がUber AI Solutionsに合流します。
同社のツールは、自動運転の乗用車やトラックだけでなく、自律型ドローンや農業用の自動トラクターといった幅広いハードウェアの現場で使われてきました。
カメラの画像だけでなく、LiDARが捉える複雑な3次元点群データを高精度にラベリングする技術が最大の強みです。
Uber自身も、自律走行や安全性向上、AI技術のブレークスルーを目的に、現実世界のデータラベリングに約10年間取り組んできた経緯があります。
社内ツールを30カ国の企業へ外販する戦略
Uber AI Solutionsは、Uberが過去10年間に自社事業を回す中で作り上げてきたAIとデータのソリューションを、外部企業へ提供するビジネスです。
6月には新ソリューションを追加し、世界30カ国のAI研究所やエンタープライズ企業向けにサービス提供を広げていました。
同社が提供するのはセンサーデータだけではありません。プログラミング、金融、法律、言語などの専門知識を持つグローバル人材をつなぎ、多言語やマルチモーダルコンテンツのアノテーションを行えるプラットフォームも展開しています。
さらに、生成AIや地図、音声認識向けの大規模学習データセットや、自律型AIエージェントを育成するためのタスクフローやシミュレーション環境も揃えています。
Uber AI Solutionsを率いるMegha Yethadka氏は、Uberのプラットフォーム、人材、AIシステムを束ねることで、他社がより賢いAIをより速く構築できるよう支援すると述べています。
なぜ重要か
私たちは、この買収が非常に理にかなった一手だと考えています。
自動運転や地図データの収集は、多くの企業にとって巨額のコストがかかる研究開発領域でした。Uberはその社内向けインフラをパッケージ化し、外販できる高付加価値なデータ事業へと転換させています。
業界全体を見渡すと、生成AIの主戦場がテキストからロボティクスやフィジカルAIへと広がるにつれ、3D空間やLiDARデータの精密なアノテーション需要が急増しています。Segments.aiを手に入れたことで、UberはScale AIなどがリードするデータラベリング市場において強力な競合となるはずです。
ロボットや自律走行システムを開発している企業にとっては、信頼性の高い3次元データ処理パイプラインを利用しやすくなるメリットがあります。一方で、急成長してきた特化型スタートアップがUberという巨大組織に統合された後も、これまで通りの開発スピードと柔軟性を保てるかどうかは注視する必要がありそうです。
情報源 (1)
- pymnts.com(新しいタブで開きます)原文pymnts.com