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業界動向

トランプ氏、テイラー・スウィフトのAI偽支持画像を投稿

公開 拡散指数 42

報道によると、ドナルド・トランプ氏が週末、歌手テイラー・スウィフトが自身の大統領選を支持しているかのように見せるAI生成画像をSNSに投稿しました。専門家は、現行のディープフェイク規制は信憑性のある偽情報を対象とすることが多く、こうした誇張表現の取り締まりは難しいと指摘しています。

トランプ氏、テイラー・スウィフトのAI偽支持画像を投稿
画像:theverge.com

週末、テイラー・スウィフトがドナルド・トランプ支持を表明したという画像を見かけたなら、それはAIが生成した偽物です。そして、その拡散を主導したのがトランプ前大統領自身でした。

トランプ氏は週末、自身の大統領選支持を煽る目的で、AI生成とみられる一連の画像をソーシャルメディアに投稿しました。最も注目を集めたのは、星条旗を模したアンクル・サム風の衣装を着たスウィフト氏の画像で、「テイラーはドナルド・トランプへの投票を望んでいる」という文言が添えられていました。トランプ氏はこれらを引用し、「I accept!(受け入れる!)」と書き込みました。

投稿にはこのほか、民主党全国大会の開催地シカゴで演説するカマラ・ハリス副大統領の背後に、巨大な共産主義の鎌と槌が描かれた合成画像も含まれていました。トランプ氏はその直前、ハリス陣営が集会の聴衆をAIで偽造していると根拠なく非難したばかりでした。

法律の抜け穴を突くフェイク画像

現在、米国の約20州が選挙関連のディープフェイクを規制する法律を施行しています。しかし消費者保護団体パブリック・シチズンのロバート・ワイズマン共同代表によると、今回の投稿は規制対象から外れる可能性が高いといいます。

多くの州法は、受け手が「信憑性がある(plausible)」と判断するような精巧な欺瞞行為を禁じています。明らかに大げさな風刺やパロディに近い画像の場合、違法なディープフェイクと認定するのは極めて困難です。

さらに連邦レベルでは、連邦通信委員会(FCC)によるAI音声ロボコールの禁止を除き、選挙偽情報に対する明確な法的制限が存在しません。米国憲法修正第1条は政治演説における虚偽の主張をも手厚く保護する傾向があり、有権者への直接的な実害が証明されない限り、司法が介入することは稀です。

一方で、スウィフト氏個人には法的手段が残されています。カリフォルニア州のパブリシティ権などを根拠に、無断で肖像を政治支持表明に利用されたとして民事提訴することが可能です。スウィフト氏が所属するユニバーサル ミュージック グループやトランプ陣営は、本件に関する取材に回答していません。

形骸化するプラットフォームの自主規制

法的な規制が追いつかない中、プラットフォーム側のモデレーションも機能していません。

X(旧Twitter)は誤認や害をもたらす合成メディアを禁止する規約を設けていますが、適用はきわめて恣意的です。オーナーであるイーロン・マスク氏自身が、パロディ表記のないハリス氏のディープフェイク動画を拡散した前例もあります。トランプ氏が拠点とする自身のSNS「Truth Social」に至っては、合成メディアに対する制約はほぼ皆無です。

ワイズマン氏は、真実のものを偽物と呼び、偽のAI画像を撒き散らすことで、現実の信頼性そのものを破壊しようとする手法に強い懸念を示しています。

なぜ重要か

私たちは、今回の件が選挙戦におけるAIの乱用が新たな段階に入ったことを示していると考えます。悪質なのは、精巧に騙すことではなく、粗雑なAI画像を堂々と利用して事実の基準そのものを曖昧にする点です。

一般ユーザーにとって、ネット上の言説を真偽確認するコストはさらに跳ね上がりました。支持を取り付けたい著名人の偽画像を投稿し、批判されたら「冗談だ」「ただのパロディだ」と逃げる手法が常態化しつつあります。騙される人が少数であっても、支持層の士気を高め、タイムラインを混乱させる目的は十分に果たされてしまいます。

業界や法規制の観点から見れば、現在整備が進むディープフェイク対策法の限界が露呈しました。「本物と見分けがつかない精巧な偽物」ばかりを警戒している間に、政治の現場ではもっと雑で分かりやすい合成画像が武器として使われています。プラットフォームによる自主規制にも期待できない現在、現実の境界線が侵食され続けるリスクは今後さらに高まるはずです。

情報源 (1)

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    theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com

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