Tencent、着せ替え特化の画像編集モデル「HY-WU」をオープンソース公開
Tencent は高精度な仮想試着や衣装転送に特化した画像編集モデル「HY-WU」をオープンソース公開した。参照画像から動的に小型 LoRA を生成して注入することで、追加学習なしに自然な着せ替えを実現する。高い性能を誇る一方、推論には 80GB GPU が最低 4 枚必要となる。
HY-WU は、Tencent がオープンソース公開した画像編集フレームワークだ。高精度な仮想試着、衣装転送、テクスチャ合成に特化して設計されている。
人物の元画像と衣装の参照画像を入力するだけで、顔の造形やポーズ、背景を保ったまま、指定した服を自然に着せ替えることができる。
LoRA をその場で即時生成する仕組み
従来の着せ替えや画像編集では、衣装ごとに時間をかけて LoRA をファインチューニングするか、参照画像を無理やりモデルに解釈させて細部が崩れるのを我慢するしかなかった。
HY-WU のアプローチは非常に合理的だ。参照画像とテキスト指示を同時にエンコードし、推論処理が走る瞬間に専用の小型 LoRA アダプタを即座に合成してベースモデルに注入する。
つまり、推論時の追加学習を一切行わずに、リクエストごとに特化したアダプタを動的生成している。これにより、元の基底モデルの汎用性を損なうことなく、衣装の質感や裁断のディテールを忠実に再現できる。
人物同士の着せ替えだけでなく、フィギュアや人形が着ている服を人間に移植したり、顔のアイデンティティを保ったまま衣装だけをすり替えたりすることも可能だ。
商業モデルに肉薄する性能と、重いハードル
ユーザー評価において、HY-WU は Qwen ImageEdit や Long Cat ImageEdit、Flux 2 といった主要なオープンソースモデルを大きく上回っている。さらに、商用クローズドの Cream 4.5 や GPT Image 1.5 に対しても勝ち越す結果を示した。
現在これより上位にいるのは、Nano Banana 2(勝率 52.4%)と Nano Banana Pro(勝率 53.8%)のトップクラス商用モデルだけで、その差もわずかだ。
ただし、手元の環境で動かすためのハードルはかなり高い。80B(アクティブ 13B)の HunyuanImage-3.0-Instruct をベースに 8B のアダプタ生成器を組み合わせているため、推論には 80GB GPU が最低 4 枚、または 40GB GPU が 8 枚必要となる。
Tencent は GitHub 上でコードと重み、Gradio 向け UI を公開しており、今後は軽量な蒸留版 checkpoint の提供も予定している。
なぜ重要か
EC サイトの試着ソリューションやデジタルファッション、キャラクター制作を手がけるチームなら、すぐに検証する価値がある。事後学習なしで商用 API に迫る精度を出せる即時パラメータ生成の仕組みは、オープンソースの画像編集において大きな一歩だ。
とはいえ、4 枚の 80GB GPU を要求される現状では、個人開発者が手元のマシンで試すのは現実的ではない。本命となる蒸留版モデルが公開されるまでは、十分な計算資源を持つ現場向けの本格的な研究開発ツールと言える。
情報源 (1)
- github.com(新しいタブで開きます)原文github.com