Tencentが3D世界モデル「HY-World 2.0」をオープンソース公開、編集可能な3Dアセットを直接生成
TencentのHunyuanチームはマルチモーダル3D世界モデル「HY-World 2.0」をオープンソース公開しました。従来の動画生成型とは異なり、テキストや画像、動画からBlenderやUnityに直接取り込めるメッシュや3DGSアセットを出力し、物理衝突判定を備えた自由な探索が可能です。
HY-World 2.0は、TencentのHunyuanチームがオープンソース化したマルチモーダル3D世界モデルです。一言で言えば、「見て終わり」の生成動画ではなく、ゲームエンジンやロボットシミュレータにそのまま読み込める本物の3Dアセットを出力するツールです。
テキストのプロンプト、1枚の静止画、複数視点の画像、あるいはスマホで撮った動画を入力するだけで、ポリゴンメッシュや3Dガウススプラッティング(3DGS)といった標準的な3D空間データを生成できます。
何ができるのか
これまでのGenie 3やCosmos、あるいは同社のHY-World 1.5のような世界モデルは、基本的にピクセル単位で動画を生成する仕組みでした。1分程度の短い動画としてしか再生できず、視点を変えるとチカチカと破綻し、操作のたびに重い推論コストがかかるのが弱点でした。
HY-World 2.0のアプローチは根本から異なります。動画ではなく、永続的に保存して編集できる実物の3Dアセットを直接生成します。
出力されたシーンはそのままBlender、Unity、Unreal Engine、NVIDIA Isaac Simなどの開発環境へインポート可能です。生成後は一般的な家庭用GPUでもリアルタイムに描画でき、追加のAI推論負荷はかかりません。
さらに、生成した世界の中をプレイヤーとして歩き回る機能も備えています。一人称視点のナビゲーションや三人称視点のキャラクター操作に対応し、物理ベースの衝突判定が効いているため、壁や障害物をすり抜けずに探索できます。
また、現実世界の動画や写真から空間を復元する「ワールド再構築」にも優れています。約1.2Bパラメータの単一モデルWorldMirror 2.0が、1回のフォワードパスで深度マップ、法線、カメラ位置、点群、3DGSをまとめて推定し、手軽な動画から高精度なデジタルツインを作り出します。
仕組みと公開状況
ゼロからの空間生成は、4段階のパイプラインで処理されます。まずHY-Pano 2.0で全天球パノラマを生成し、WorldNavで移動軌道を計画、WorldStereo 2.0で空間を拡張した上で、WorldMirror 2.0と3DGS学習を組み合わせて最終的な3Dシーンを合成します。
TencentはGitHub(Tencent-Hunyuan/HY-World-2.0)で技術レポートとともにコードとモデルの重みを公開しています。再構築用のWorldMirror 2.0をはじめ、HY-Pano 2.0やWorldStereo 2.0の推論コードと重みがHugging Faceから順次ダウンロード可能で、製品ページでの体験版も用意されています。
なぜ重要か
ゲーム開発者、インディークリエイター、そしてロボティクスや具身AI(Embodied AI)の研究者にとって、すぐに検証する価値があるツールです。
他社が映画のようなリアル動画の生成を競い合う中で、Tencentは既存の制作パイプラインに直結する3Dアセットの出力という、きわめて実用的な落としどころを選びました。生成後のメッシュのトポロジーや細部のクオリティに手作業の調整が必要になる場面はあるとしても、ゼロから3Dシーンを組む手間を大幅に削れる利点は非常に大きいと言えます。
情報源 (2)
- x.com(新しいタブで開きます)原文x.com
- github.com(新しいタブで開きます)報道github.com