SubstackがPangramと提携しAI判定ツール導入:人間を装う「Claudefishing」に対抗
SubstackはAI検出ツール「Pangram」と提携し、100語以上の投稿やコメントでAI利用率を推定するスキャン機能の提供を開始した。人間の執筆と信じてAI生成文章を読まされる「Claudefishing」を防ぐ狙い。クリエイターは制作プロセスの明示や下書きの事前検証も行える。

心を動かされる記事を読み終えた後、それが実はAIによる自動生成だったと知った時の虚しさ。Substackは、人間が書いたと信じ込ませてAIコンテンツを読ませるこの行為を「Claudefishing(クロードフィッシング)」と名付けました。
SubstackはAI検出ツールを提供するPangramと提携し、記事やコメントが人間の手によるものかAIによるものかを判定する機能をWeb版とiOSアプリで提供開始しました。
AIの痕跡をオンデマンドでスキャン
Pangramの試算によると、一部のSNSでは投稿テキストの最大40%がAI生成物で占められているといいます。Substackのクリス・ベストCEOは、アプリ内が魂のないコンテンツで埋め尽くされる前に対策を打つ必要があると説明しています。
今回導入されたツールは、本日以降に公開された100語以上の投稿、短い近況(Notes)、返信、コメントを対象に機能します。読者がリクエストした時だけスキャンが走り、手書きとAI生成の推定比率が表示されます。
ただしSubstack側も認めている通り、ツールは完璧ではありません。文章そのものがAI製かどうかは判定できても、人間がどれだけ推敲を重ねたかや、単なるリサーチツールとして使ったかどうかまでは見分けられません。
クリエイター向けの自衛ツールも用意
一方で、誤判定によって書き手が不当に疑われないよう、クリエイター側の機能も整備されました。
書き手は公開前の下書き段階でPangramスキャンを実行できるほか、誤判定だと思われるスキャン結果を報告して削除できます。また、「How I make this(制作プロセス)」欄を設け、完全に手書きなのかAIを取り入れているのかを読者に宣言できるようになりました。
この機能はAndroid版にもまもなく提供される予定です。将来的には、コメント欄でのAI利用制限や、おすすめフィードでのAIコンテンツ除外設定なども検討されています。
なぜ重要か
ニュースレターの有料購読モデルは、生身の書き手に対する信頼で成り立っています。読者が求めているのは他者のリアルな思考や苦悩であり、Claudeの意見を聞きたいなら直接Claudeに聞けばいいだけの話です。
Substackの対応は非常に現実的だと評価できます。全投稿に一律でAI警告バッジを強制表示するのではなく、読者のオンデマンド機能に留め、クリエイター自身による「制作過程の開示」を促すアプローチをとったからです。
しかし、AI検出技術そのものの不完全さは拭えません。真面目に書いた人間の文章が誤判定されたり、巧みな指示文で生成されたAIテキストが見逃されたりするリスクは常にあります。読者がスキャン結果を根拠に書き手を攻撃し始めれば、プラットフォーム内の信頼関係がかえって損なわれる懸念も残ります。
情報源 (1)
- post.substack.com(新しいタブで開きます)原文post.substack.com