シルヴェスター・スタローン、AI若返り技術で18歳の『ランボー』前日譚を検討
シルヴェスター・スタローン氏はポッドキャスト番組で、AI若返り(ディエイジング)技術を活用した『ランボー』前日譚の制作を検討していると明かした。テストでは自身を18歳の姿に再現できたという。ハリウッドでAI議論が続く中、往年の名優が自らの代表作を延命させる手段としてAIを受け入れ始めている。

ジョン・ランボーの若き日を描くために、別の若い俳優をオーディションする必要はないのかもしれません。
シルヴェスター・スタローンは、ポッドキャスト番組「Power Players with Brian Sozzi」に出演し、AIの若返り技術(ディエイジング)を活用した映画『ランボー』の前伝プロジェクトを前向きに検討していると明かしました。すでに自身を18歳の姿に若返らせるデジタルテストを実施したといいます。
18歳の人気者が殺人マシンになるまで
スタローンが思い描く前伝のランボーは、観客がよく知る冷徹な兵士とはまるで違います。
当時のランボーは楽天家で、学校のチームのキャプテンを務める一番の人気者だったといいます。「2週間くらい楽しそうだから」という軽い動機で軍に入隊し、そこからいかに魂を引き裂かれていくかという変貌を描きたいと語りました。
スタローンは、映画の他の登場人物はすべて生身の俳優が演じ、AIによる若返りを施すのは彼自身のキャラクター1人だけになると説明。どのようにして彼があそこまで追い詰められたのかを描くことに強く魅力を感じており、現在企画を進めているところだと述べました。
ハリウッドの重鎮たちが頼る若返り技術
ハリウッドでは雇用の喪失をめぐってAI利用への反発が続いていますが、大作映画の現場ではすでに実用化が進んでいます。
スタローンと同世代の名優たちもすでにこの技術を活用しています。マーティン・スコセッシ監督の『アイリッシュマン』では、ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシがAI主導の視覚効果によって数十年分の若返りを果たしました。
記憶に新しいところでは、『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』の冒頭シーンで、ルーカスフィルムが過去の膨大なアーカイブ映像を使ってハリソン・フォードを1980年代の姿に復元させています。
番組内ではスタローンのビジネス面にも触れられました。『ロッキー』『ランボー』『エクスペンダブルズ』などのシリーズにおいて、1作あたり1500万から2000万ドルという高額な出演料を得るだけでなく、脚本や監督、製作総指揮を兼任することで自身のIP価値を最大化してきた背景があります。
なぜ重要か
観客にとって、この試みはリキャストによる違和感なしに名作の空白を埋めてくれる楽しみがあります。別の若手俳優に交代するのではなく、観客が愛着を持つ本人の顔でオリジンストーリーが語られる価値は小さくありません。
私たちが注目すべきだと考えるのは、ハリウッド内でのAIに対する温度差です。多くの現場スタッフや俳優が雇用の代替に危機感を募らせる一方で、スタローンのようなトップスターは、自分自身のブランドや演者としての寿命を延ばすツールとしてAIを前向きに捉えています。
IPの象徴であるスタローン本人が出続けるという判断は商業的には賢明に見えます。ただし懸念もあります。過去の事例でも指摘された通り、AIで顔の皺を消せても、80歳近い肉体の動きや立ち振る舞いまで18歳に偽装するのは極めて困難です。このギャップが不気味の谷を生んでしまわないかが最大のハードルになりそうです。
情報源 (1)
- finance.yahoo.com(新しいタブで開きます)原文finance.yahoo.com