Stable Audio 2.0登場、最長3分の楽曲生成やAudio-to-Audioに対応
Stable Audio 2.0が発表された。テキストプロンプトから最長3分、44.1kHzステレオの構成整った楽曲を生成できる。Diffusion Transformerの採用で楽曲構造の再現性が高まり、音源をアップロードして音色やスタイルを変換するAudio-to-Audioにも対応。公式サイトで無料体験できる。

これまでの生成AIによる楽曲制作は、数十秒のループ素材を作る分には便利でも、1曲通して聴ける作品に仕上げるのは至難の業でした。
Stability AIは新世代の音声生成モデル「Stable Audio 2.0」を発表しました。自然言語によるプロンプト1つから、イントロ、展開、アウトロを備えた最大3分間の楽曲を44.1kHzステレオで生成できます。
DiT採用で長尺の楽曲構造を実現
これまでの音声生成モデルが苦手としていたのは、時間経過に伴う楽曲の整合性を保つことでした。途中でリズムが破綻したり、単調な繰り返しに陥りがちだった課題を、設計の刷新で乗り越えています。
同社は前バージョンで使っていたU-Netに代わり、Stable Diffusion 3と同様のDiffusion Transformer(DiT)を採用しました。高圧縮オートエンコーダーと組み合わせることで、長時間の音声データを高い精度で扱えるようにしています。
また、新機能として「Audio-to-Audio」に対応しました。手持ちの音声サンプルをアップロードし、テキストプロンプトで指示を出すことで、別の音色やスタイルへ変換することが可能です。キーボードの打鍵音や街の環境音といった効果音の生成にも対応します。
学習データはAudioSparxからライセンス許諾を得た80万件以上の音源に限定し、クリエイターのオプトアウト権を保証しています。さらにAudible Magicのコンテンツ識別技術を導入し、著作権侵害の恐れがある音声のアップロードをリアルタイムで検知・遮断する仕組みも整えました。現在、公式サイトで無料提供されており、APIも近日提供予定です。
なぜ重要か
今回のアップデートは、AI音楽生成が実務レベルの実用ツールへ歩みを進めた重要な節目だと私たちは考えます。
映像クリエイターやゲーム開発者にとって、展開のある3分間のBGMを著作権リスクを抑えて即座に調達できるメリットは絶大です。鼻歌やラフな演奏をAudio-to-Audioで変換できる機能も、制作現場でのスケッチ作りの敷居を大きく下げるはずです。
業界全体で見ても、Stability AIの著作権対策は極めて現実的で賢明に見えます。学習元を明確な許諾音源に絞り、アップロード側にもフィンガープリント照合を設ける手法は、商用利用を前提とする法人ユーザーにとって安心材料になるでしょう。
もちろん、生成された長尺曲が人間の作る音楽特有のエモーショナルな揺らぎや深みを超えられるかは別の議論ですが、少なくとも作業用トラックやBGMの調達方法を塗り替えるだけの力はすでに備わっています。
情報源 (1)
- stability.ai(新しいタブで開きます)原文stability.ai