Stability AI、一貫性を高めた動画生成モデル「SVD 1.1」を公開
Stability AIが画像から動画を生成するモデル「SVD 1.1」を発表した。SVD-XTをファインチューニングし、1024x576解像度で4秒間(25フレーム)の一貫した動画を生成できる。研究目的ではHugging Faceから無料でダウンロード可能で、商用利用には会員プランやAPI提供が用意されている。

静止画から動画を生成する AI を試したことがある人なら、人物の顔が不自然に崩れたり、カメラがほとんど動かないまま数秒が過ぎ去るもどかしさを経験したことがあるはずです。
こうした課題に対し、Stability AI が動画生成モデルの改良版となる「SVD 1.1(Stable Video Diffusion 1.1)」を公開しました。
同社の CTO である Tom Mason 氏が発表したもので、モデルは Hugging Face からダウンロードできるほか、開発者向けプラットフォームの API 経由でも利用できます。
最適なパラメータを固定し、一貫性を底上げ
Stability AI は 2023 年 11 月に SVD および SVD-XT をリリースしました。ベースモデルの SVD は 4 秒間で最大 14 フレーム、拡張版の SVD-XT は同じ 4 秒間で 25 フレームの動画を生成する仕組みでした。
しかし初期モデルには課題も多くありました。生成された映像の写実性が低かったり、カメラワークが極端に遅かったり、人間の顔が崩れてしまうケースが頻発していたのです。
今回登場した SVD 1.1 は、SVD-XT をベースにさらなるファインチューニングを施したモデルです。入力と出力の解像度は 1024x576 ピクセルで、25 フレーム・4 秒の映像を出力します。
最大の特徴は、パラメータ調整を行わなくても安定した出力が得られるよう、ファインチューニング時に条件を 6FPS かつ motion bucket Id 127 に固定した点です。これにより、面倒な試行錯誤を減らしつつ、従来よりも自然な動きと一貫性のある映像が得られるとしています。
ライセンス形態は従来通りで、研究目的であれば Hugging Face 上で無料利用が可能です。商用利用する場合は、月額 20 ドルからのメンバーシップに加入する必要があります。
また、開発者向け API では、25 フレームの生成フレームと補間フレームを組み合わせることで、24fps の MP4 形式(4 秒間)で動画が出力されます。横長だけでなく 768x768 や 576x1024 といった縦横比にも対応しています。
なぜ重要か
私たちは、SVD 1.1 の真価は技術的な大飛躍というよりも、生成結果の歩留まり向上という実用面にあると考えています。
これまでオープンな動画モデルを自前のワークフローに組み込もうとしたクリエイターや開発者は、不発に終わる生成ガチャに大量の計算リソースを費やしてきました。パラメータの最適化済みモデルが提供されることで、試行回数の無駄が減り、実務での採用ハードルは確実に下がります。
業界全体の構図を見ても、アプローチの違いが際立ちます。競合の Runway は局所的に動きを付けるブラシ機能を打ち出し、Pika は動画内の特定部分を差し替える編集機能を Web 上で提供しています。しかし、両社はいずれも一般向けの Web サービスにとどまり、外部開発者向けの API を提供していません。
対する Stability AI は、重みの公開と API 提供を両輪で進めています。外部のアプリやサービスに動画生成機能を組み込みたい開発者にとって、現時点で最も扱いやすい選択肢を取りに来ている印象です。
ただし、生成できる尺が 4 秒にとどまる点や、初期モデル由来の破綻が完全には解消されていない点は依然として制限です。基盤モデルの進化スピードが加速する中、小幅なファインチューニングだけで優位性を保ち続けられるかが今後の課題になりそうです。
情報源 (1)
- venturebeat.com(新しいタブで開きます)原文venturebeat.com
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