Stability AI、新画像生成モデル「Stable Cascade」発表 3段階構造で効率化
Stability AIは新たなテキスト画像生成モデル「Stable Cascade」の研究プレビュー版を公開した。Würstchenベースの3段階構造を採用し、同規模のStable Diffusionと比べて学習コストを16分の1に削減。コードもGitHubで公開されたが、非商用ライセンスとなる。

Stable Cascadeは、テキストからの画像生成と追加学習のコストを大幅に引き下げるためにStability AIが公開した画像生成モデルです。
2024年2月12日に研究プレビュー版として公開され、推論コードや追加学習、ControlNet、LoRA学習用の各種スクリプトが公式GitHubで提供されています。また、Hugging Faceのdiffusersライブラリ経由でも利用できます。
仕組みと特徴
従来のStable Diffusionとは異なり、Stable CascadeはWürstchenアーキテクチャをベースにしたStage A、B、Cという3段階のパイプラインで動作します。
中核を担うのはテキスト入力を受け付けるStage Cです。提示されたプロンプトをわずか24x24という極めて高圧縮な潜在空間に落とし込みます。その後、Stage BとStage Aが段階的なデコーダーとして働き、圧縮された潜在変数を高解像度画像へと復元します。
プロンプト解釈と高解像度デコードを切り離したことで、LoRAやControlNetの追加学習は実質的にStage Cだけで完結します。論文によると、同規模のStable Diffusionと比べて追加学習のコストを約16分の1に削減できるとされています。
モデル構成と動作要件
提供されるモデルは、Stage Cが10億パラメータ(1B)と36億パラメータ(3.6B)、Stage Bが7億パラメータ(700M)と15億パラメータ(1.5B)のバリエーションが用意されています。画質を優先する場合はStage C(3.6B)とStage B(1.5B)の組み合わせが推奨されます。
推論時のVRAM要件はおよそ20GBですが、より小さいバリアントを組み合わせることで必要環境をさらに下げることが可能です。
テキスト生成だけでなく、CLIPを活用した画像バリエーション生成やImage-to-Imageにも対応しています。さらに輪郭抽出(Canny Edge)、インペインティング、2倍超解像といったControlNet用のコードもあわせて公開されました。SDXLより14億パラメータ多い最大構成でも、潜在空間の高圧縮化によって推論速度はより高速に保たれています。
入手方法とライセンス
推論コードおよび学習スクリプトはGitHub上で利用可能です。
ただし、今回のリリースは非商用利用のみを認める研究ライセンスとなっているため、業務利用はできません。商用展開にはStability AIの有料メンバーシップやAPIを利用する必要があります。
なぜ重要か
Stable Cascadeの意義は、画像生成のカスタマイズ性を個人のコンシューマー環境へと引き戻した点にあります。巨大化するモデルを無理に全部学習するのではなく、極小の潜在空間に責務を集約した割り切りの良さが光ります。
自分好みのLoRAを作りたいクリエイターや個人開発者なら、今すぐ試す価値があります。現時点では非商用ライセンスという縛りがありますが、オープンソース生成AIの効率化を示す重要な一歩と言えます。
情報源 (1)
- stability.ai(新しいタブで開きます)原文stability.ai