Stability AI、AMD製GPU/APU向けに最適化した「Stable Diffusion」公開 最大3.8倍高速化
Stability AIはAMDと提携し、AMD Radeon GPUおよびRyzen AI APU向けに最適化したONNX版Stable Diffusionをリリースした。SD 3.5とSDXLの計4モデルが対象で、PyTorch版と比較して最大3.8倍高速に動作する。モデルはHugging Faceで公開され、Amuse 3.0でも利用可能。

ローカル環境で画像生成AIを動かす際、AMD製ハードウェアはセットアップの難しさや速度面で長らくNVIDIAの後塵を拝してきました。しかし、その状況が変わりつつあります。
Stability AIはAMDと共同で、AMD Radeon GPUおよびRyzen AI APU向けに最適化されたStable Diffusionモデルの提供を開始しました。
推論速度が最大3.8倍に向上
今回最適化されたのは、主力モデルであるStable Diffusion 3.5 LargeとSD 3.5 Large Turbo、そして現在も利用者の多いSDXL 1.0とSDXL Turboの計4モデルです。
これらはONNX Runtimeに最適化された形でエンジニアリングされており、ベースとなるPyTorchモデルと比較して大幅な高速化を実現しています。
具体的な数字として、SD 3.5シリーズでは推論速度が最大2.6倍に向上しました。
さらにSDXL 1.0およびSDXL Turboでは、最大3.8倍の推論速度を記録しています。
Stability AIによると、この最適化によって生成画像の品質が低下することはなく、オープンライセンスも従来通り維持されています。
開発者も一般ユーザーもすぐ試せる設計
最適化されたモデル群はすでにHugging Face上で公開されており、モデル名の末尾に amdgpu というサフィックスが付けられています。
ONNX Runtimeをサポートする環境であれば、既存のワークフローやパイプラインにそのまま組み込むことが可能です。
また、コマンドライン操作に慣れていない一般のクリエイター向けには、画像生成クライアント「Amuse 3.0」を通じてこれらの最適化モデルを手軽に利用できる環境が案内されています。
なぜ重要か
これまでPCローカルでの生成AI実行は、事実上NVIDIA製GPUの一強状態が続いていました。
今回の最適化により、Radeonを搭載したゲーミングPCだけでなく、Ryzen AIを積んだ薄型ノートPCやポータブルゲーム機などでも、実用的な速度でローカル画像生成が可能になります。
クラウドサービスへの課金やデータ流出を気にせず、手元のAMDマシンで前沿モデルを動かせるメリットは一般ユーザーにとっても大きいはずです。
業界全体で見ても、ハードウェアベンダーがAIモデル開発元と直接タッグを組んで最適化を進める動きは極めて合理的と言えます。
ただし、コミュニティで広く流通している各種LoRAやControlNetといった拡張機能とどこまでスムーズに併用できるかについては、今後のエコシステムの追従を見守る必要があります。
情報源 (1)
- stability.ai(新しいタブで開きます)原文stability.ai