Shutterstockが3D生成を開始、Getty Imagesは生成速度を倍速化
ShutterstockがNVIDIA Edifyを活用した「Generative 3D」の商用ベータ版を公開し、テキストから3Dアセットや16Kの360度HDRi背景を生成可能にした。一方のGetty Imagesも画像生成AIを刷新し、生成速度を2倍に高速化、ファインチューニングやスケッチによる構図制御に対応した。

3D制作に携わるクリエイターにとって、最も時間を取られる作業の一つが背景の小物づくりや、シーンのライティングに適した環境マップ探しです。
大手ストック素材サービスのShutterstockとGetty Imagesが、それぞれNVIDIAの技術を活用した新しい生成AI機能を発表しました。両社の基盤にはNVIDIAのマルチモーダルAIアーキテクチャ「Edify」と推論マイクロサービス「NIM」が採用されており、正規ライセンスを取得したデータのみで学習されている点が大きな特徴です。
10秒で3D試作、16Kの高解像度HDRi背景も生成
Shutterstockは「Generative 3D」の商用ベータ版の提供を開始しました。テキストや画像のプロンプトを入力すると、わずか10秒ほどで単一アセットのプレビューが生成されます。
気に入ったプレビューは、木材やコンクリート、レザーといったPBRマテリアルを含む高品質な3Dアセットに変換できます。出力データは一般的なファイル形式に対応し、クリーンなトポロジーを備えているため、既存のDCCツールでそのまま編集が可能です。
同社はSIGGRAPHにてBlender内で直接モデルを生成するデモを披露する予定で、HPのブースでは生成されたアセットの3Dプリント試作品が展示されます。また、大手広告グループのWPPもバーチャルプロダクションでの活用を進めています。
さらに注目なのが360度HDRi背景の生成機能です。従来は高価な全天球カメラを現場に持ち込む必要がありましたが、テキスト入力だけで最大16K解像度のパノラマライティング画像を瞬時に出力できます。ダッソー・システムズやCGスタジオのKatanaがすでにAPIのワークフロー統合を計画しています。
Gettyは生成速度が倍増、被写界深度調整やモデル微調にも対応
一方のGetty Imagesは、自社の画像生成サービスを大幅に強化しました。新しいEdifyモデルにより生成速度は従来の2倍となり、約6秒で4枚の画像を生成し、最大4K解像度までアップスケールできます。
今回は構図やスタイルの制御機能が充実しました。スケッチや深度マップによる構図指定に加え、被写界深度や焦点距離といったカメラ設定の細かな調整が可能です。
さらに、企業が自社のデータを用いてモデルを追加学習させるファインチューニング機能も追加されました。自社のブランド規定に沿った画像を安全に生成できる仕組みで、すでに大手広告代理店のオムニコムが広告制作フローに導入しています。
なぜ重要か
3Dアーティストやプロダクトデザイナーにとって、今回のアップデートは背景小物のモデリングやライティング調整といった定型的な作業負担を大きく減らす価値があります。プロトタイピングの速度は確実に上がるはずです。
私たちが評価すべきだと考えるのは、両社が著作権リスクの解消という企業利用における最大の壁に正面から向き合っている点です。無断学習をめぐる法的リスクを恐れて生成AIの導入を見送ってきた大企業にとって、許諾済みデータのみで学習された基盤モデルは導入の強力な後押しになります。
ただし懸念点もあります。生成された3Dデータのメッシュ構造が、どこまで現場の制作ラインでそのまま通用するかは未知数です。複雑な変形アニメーションなどを前提とする場合、結局は手作業でのリトポロジーが必要になる可能性が高く、現時点では迅速な試作やコンセプト検証ツールとしての位置づけにとどまると見られます。
情報源 (3)
- venturebeat.com(新しいタブで開きます)原文venturebeat.com
- blogs.nvidia.com(新しいタブで開きます)報道blogs.nvidia.com
- the-decoder.com(新しいタブで開きます)報道the-decoder.com