Shopify、プロンプトでECサイトを自動生成するAIツールを発表
Shopify はプロンプトを入力するだけでオンラインストア全体を自動生成する AI ビルダーを発表した。AI 調整機能を備えた新テーマ「Horizon」を導入したほか、アシスタント「Sidekick」に音声対話と画面共有を追加し、モバイルアプリでも提供を開始した。
ネットショップの立ち上げで最も時間を奪われるのは、商品の仕入れではなくサイト構築です。テンプレートを選び、レイアウトを調整し、コードをいじる作業に何日も費やした経験がある人は少なくないでしょう。Shopify はこの工程を、たった一行のプロンプトで終わらせようとしています。
Shopify は現地時間 5 月 21 日、半期に一度の発表イベント「Editions」において、店舗構築や顧客体験の向上を支援する新たな AI ツール群を発表しました。
一言でサイトを自動生成、コード不要でバナーも作れる
目玉となるのは「AI ストアビルダー」です。事業者は「テニス用品とスタイリッシュなアスレジャー」といったブランドの概要を入力するだけで、すぐに公開可能なオンラインストアの骨組みを AI が自動で組み立ててくれます。
まずは土台をすばやく立ち上げ、余った時間をデザインの微調整やブランディングに充ててもらうのが狙いです。
あわせて、新しい公式テーマ「Horizon」もテーマストアで公開されました。Horizon にはデザイン調整用の AI が組み込まれており、コードを書かずにパーツを組み替えられる「Theme Blocks」を初めて採用しています。テキストやアニメーション付きのバナーが欲しい場合も、希望の動きを言葉で説明するだけで、AI が必要なコードを自動生成してくれます。
声で会話し、画面も共有できる AI アシスタント
店舗運営を支える AI アシスタント「Sidekick」も大幅に進化しました。新たに音声チャットに対応し、事業者の質問に対して声で回答できるようになっています。
たとえば、現在小売業者の間で大きな関心事となっている関税の扱いについて尋ねると、Sidekick は音声で適切な参考リソースを案内してくれます。さらに画面共有機能も追加され、管理画面の奥深くにある設定項目が見つからない場合でも、画面を見ながら誘導してくれます。また、Sidekick は Shopify のモバイルアプリ上でも利用可能になりました。
Sidekick は 2024 年 12 月に全事業者向けに提供が開始されましたが、Shopify の広報担当者が TechCrunch に語ったところによると、2025 年初頭から月間利用者数が 2 倍以上に急増しているとのことです。Shopify の Tobi Lütke CEO は社内メモの中で、AI の活用によって会社が少数精鋭の組織を維持できるようになる可能性に言及しています。
なぜ重要か
小規模なブランドや個人事業主にとって、今回の機能拡充は大きな武器になります。これまで外注するか何日も格闘していた初期のショップ構築が、わずか数分で形になるためです。ただし、AI に任せきりにすると他店と似通ったデザインになりやすいため、ブランド独自の魅力をどう肉付けするかは引き続き人間の腕の見せ所と言えます。
Shopify のアプローチは非常に現実的でスマートです。単なる文章生成にとどまらず、サイト構築、コンポーネントのコード生成、管理画面の操作案内という、事業者が日常的に苦労する実務の現場に AI を溶け込ませています。音声と画面共有を備えた Sidekick は、専門知識のない事業者にとって 24 時間頼れる専属の技術サポートに近い存在になりつつあります。
CEO の人員体制に関する発言からも分かるように、Shopify は自社の業務効率化と加盟店の業務効率化の両面で AI を徹底活用する姿勢を強めています。競合するコマースプラットフォーム各社も、同様のマルチモーダルな店舗支援機能の導入を急がざるを得なくなるはずです。
情報源 (1)
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com