ライアン・レイノルズ、Mint Mobileの新広告制作にAIを活用
俳優で Mint Mobile のオーナーであるライアン・レイノルズが、ブランドの最新広告の脚本作成に AI を活用した動画を公開した。制作費を削減して利用者に還元するという従来の方針に沿った試みで、AI を巡る議論も逆手に取り、独自のユーモアを交えてアピールしている。

ハリウッド俳優がCMに出演すること自体は珍しくありませんが、自ら通信会社を経営し、広告の脚本づくりをAIに任せてしまう人物となると話は別です。ライアン・レイノルズが自社ブランドの最新CMで、まさにそれをやってのけました。
格安SIMサービスを提供する米Mint Mobileのオーナーであるレイノルズは、AIの支援を受けて制作した最新のプロモーション動画を公開しました。
格安SIMのプロモにAI脚本を採用
同社のCMには、お決まりの設定があります。オーナーのレイノルズが徹底的に経費を削り、その浮いた分を利用者の通信料金引き下げに還元するというストーリーです。
今回のAIによる脚本作成も、その文脈に綺麗に当てはまります。急速に普及するAI技術には倫理面や著作権をめぐる懸念がつきまといますが、レイノルズは深刻ぶることなく、茶目っ気たっぷりに演出へ組み込みました。
公開のタイミングも計算されています。インフレや生活費の高騰を背景に、通信費を見直す消費者が増えていたホリデーシーズンに合わせて展開されました。
レイノルズは時流を捉えたマーケティングの常連です。自身が手がけるジンブランド「アビエーション」の広告や、契約者に節約アピールのタトゥーシールを送る施策など、常に世間の関心を味方につけてきました。
「思いつき」に見えて計算されたリスク管理
一見するとその場のノリで撮っているように見える彼の広告ですが、本人は業界誌AdWeekの取材で、自分たちは極めて慎重派だと明かしています。
世間はスピード感を見て行き当たりばったりだと思いがちですが、実際にはアイデアを徹底的に吟味し、明確なガードレールを設けているといいます。
それは映画『デッドプール』の脚本を書く感覚と同じだとレイノルズは語ります。過度に敏感な層がどう捉えるか、まったく気にしない層はどう感じるかを考え、双方が納得できる中間地点を探っています。
共感というフィルターを通すことで、一見すると危なっかしく過激に見えるジョークでも、本当の炎上を避けることができると説明しています。
なぜ重要か
消費者に向けたプロモーションにおいて、AIをどのように位置づけるべきかという点で、今回の試みは非常に巧妙だと私たちは考えます。
現在、生成AIを前面に出す企業の多くは先進性や効率性をアピールしがちですが、それがかえってクリエイター軽視や倫理面での反発を招くケースが少なくありません。
レイノルズはAIを神格化するのではなく、単なる安上がりの手段であり笑いのタネとして扱いました。この自虐的なアプローチが、技術への警戒心をうまく中和しています。
ただし、このやり方を一般の企業が安易に真似するのは危険だと見ています。このCMが成立しているのは、AIが生成したテキストが優れているからではなく、レイノルズ本人のキャラクターと話術があるからです。
強力な個人の魅力を持たない一般的なブランドが同じことをすれば、コスト削減の手抜き広告と受け取られるリスクのほうが高いはずです。
情報源 (1)
- comicbook.com(新しいタブで開きます)原文comicbook.com