1ステップで画像生成する新手法「RDM」が登場、4ステップ版を上回る性能
研究チームが単一ステップで高品質な画像を生成する新手法「RDM」を発表し、コードを公開した。数十回のノイズ除去を要する従来の拡散モデルと異なり、特徴分布のマッチングにより 1 回の推論で画像を生成できる。FLUX.2 を 1 ステップ化したモデルでは元の 4 ステップ版を超える評価を記録した。

RDM(Representation Distribution Matching)は、画像の生成をわずか 1 ステップの推論に圧縮する新しいオープンソース手法です。
通常の画像拡散モデルは、1 枚の絵を仕上げるのに 30 から 50 ステップのノイズ除去を繰り返します。高速化された Turbo や Flash モデルでも 4 から 10 ステップは必要で、リアルタイム処理ではこの数ステップの遅延がネックになっていました。RDM は、ネットワークの順伝播を 1 回行うだけで完結させることを目指しています。
1ステップ生成をどう実現したか
従来の蒸留手法では、複雑な教師モデルの常時稼働や敵対的生成ネットワーク(GAN)の構造に頼ることが多く、学習が不安定になりがちでした。
RDM はオンラインの教師モデルも敵対的識別器も使わず、軌跡の追跡も行いません。事前に学習済みの固定された画像エンコーダ群を用い、生成された画像と実画像の高次特徴分布を直接一致させるアプローチをとっています。
ポイントは、単一のエンコーダを信用しない点です。たとえば DINOv2 だけを使って分布を合わせようとすると、スコア上は満点でも肉眼で見ると破綻した画像が生まれる「抜け道」が生じます。RDM は多様なエンコーダを組み合わせ、最適化が遅れている空間の重みを動的に引き上げる制御を取り入れることで、モデルの誤魔化しを完全に封じました。
テキスト生成画像向けには画像とプロンプトの結合分布を直接マッチングさせるため、指示文への忠実性も損なわれません。
4ステップの教師モデルを凌駕
実測値でも優れた性能を示しています。14 種類のエンコーダを用いた実画像との距離評価(SW r14)では、実データが 1.00 のところ、RDM は 1.30 を記録しました。従来の単一ステップモデル(2.05)を大きく引き離し、複数の多ステップ拡散モデルよりも実画像に近い水準に達しています。
人間の好みを反映する評価指標 PickScore では、生成サンプルの 63.6% が実写写真よりも好まれ、先行する最良の 1 ステップモデルに対する勝率は 71.2% に達しました。
さらに実用面として、4 ステップを要する FLUX.2(klein)をわずか 90 の H200 GPU 時間で 1 ステップモデルへと事後学習させました。その結果、GenEval スコアは元の 4 ステップ版の 0.794 から 0.826 へ、PickScore も 22.58 から 22.76 へと上昇し、1 回の推論で元の 4 ステップ版を完全に上回りました。
現在、プロジェクトの公式サイトでコードが公開されており、ローカル環境で動かすためのセットアップ手順も確認できます。
なぜ重要か
生成ステップが 4 から 1 に減る意味は、単なる高速化にとどまりません。リアルタイムのお絵描きツールやライブ配信の演出、負荷の高い API サービスのサーバー費用を劇的に削減できます。
これまで 1 ステップモデルは「速いけれど画質は荒削り」という妥協の産物と見なされがちでした。RDM は、特徴空間での分布マッチングを適切に行えば、1 ステップのモデルが元の多ステップモデルを超える品質を出せることを証明しました。
1 回の計算で描き切る都合上、極端に細かなディテールでわずかな乱れが出る余地はまだあります。それでも、高速画像生成やエッジ端末への展開を考えている開発者なら、今すぐ試す価値があるプロジェクトです。
情報源 (1)
- alan-lanfeng.github.io(新しいタブで開きます)原文alan-lanfeng.github.io