Rabbit R1が「LAM playground」公開:Web操作をAIに学習可能に
Rabbitは携帯端末「R1」向けに新システム「LAM playground」を提供開始した。クラウドハブ「Rabbithole」上で、Google検索やAmazonでのカート追加といったWeb作業をAIエージェントに学習させられる。タスク完了に約45秒かかり認証コードに詰まる課題もあるが、同端末の最大の目玉機能がついに動き出した。

今年初めのCESで華々しくデビューした199ドルの小型端末「Rabbit R1」ですが、発売直後は厳しい現実に直面していました。鳴り物入りで発表された独自技術「ラージ・アクション・モデル(LAM)」は、UberやSpotify、DoorDashなど限られたサービスにしか対応しておらず、動作の成功率も半分以下にとどまっていたためです。
そんななか、Rabbit社は約束されていた中核機能の大規模アップデートに踏み切りました。
ようやくウェブ全体に対応する「LAM playground」
同社が10月1日に発表したのは、クロスプラットフォームのエージェントシステム「LAM playground」です。ユーザーは同社のクラウド基盤「Rabbithole」を通じて、自分のR1にウェブ上のさまざまな操作を学習させることができるようになります。
名前に「playground(遊び場)」とある通り、本機能はユーザー自身が実験し、フィードバックを送りながら動作精度を高めていくテスト環境として位置づけられています。これまでのように数社のアカウントを連携させるだけでなく、GoogleやWalmart、YouTubeといった一般のウェブサイトを横断して自律的に巡回させることが可能です。
ZDNetの取材に対し、CEOのJesse Lyu氏が行ったデモでは、「ダイエットコークの6缶パックを探してAmazonのカートに追加して」という指示が出されました。マルチモーダルAIエージェントはGoogleの検索画面上の要素を一つずつ読み取り、適切なAmazonのリンクをクリックして商品をカートに入れました。所要時間は約45秒とやや長めですが、人間が手を出さずに完結することを示しました。
成功まで45秒、立ちはだかるCAPTCHAの壁
しかし、本物のウェブを相手にする以上、避けられないトラブルも露呈しています。
「Walmartで最もお得なiPhone 16を探して」という別の指示を実行したところ、サイト側が表示したCAPTCHA(ロボット判定の画像認証)をAIが突破できず、タスクは失敗に終わりました。Lyu氏はデモ環境で同社専用のIPクラスタを使用していなかったためと説明していますが、一般ユーザーが日常的に遭遇するボット対策をどうクリアするかは大きな課題です。
さらにLyu氏は将来構想として、ウェブブラウザにとどまらず、独立したLinux OSを起動したりAdobe Photoshopなどのネイティブアプリを直接操作したりするデスクトップ級のエージェント機能も視野に入れていると明かしました。
なぜ重要か
引き出しの奥でR1を眠らせていたユーザーにとって、今回の更新は久しぶりに電源を入れる十分な動機になります。実際にAIがブラウザを操作する未来感を体験できる価値はありますが、45秒かかる処理時間や認証エラーの多さを考えると、日常の買い物や作業を全面的に任せられる段階にはまだ届いていません。
同社の戦略として「playground」と銘打った点は非常に巧みです。未完成であることを前提とした実験場として開放することで、ユーザーの不満を抑えつつ、世界中の多様なウェブサイトに対する操作データを集めることができます。ただの会話型ガジェットから、実務をこなす自律エージェントへと舵を切り直した形です。
一方で、将来的なデスクトップ操作への拡張には、マイクロソフトのAIツールでも問題視されたようなセキュリティとプライバシーのリスクが常に付きまといます。R1がギーク向けのオモチャを脱して実用ツールになれるかどうかは、ボット排除の網をかいくぐる技術力と、個人情報を預けられるだけの安全性を両立できるかにかかっています。
情報源 (1)
- zdnet.com(新しいタブで開きます)原文zdnet.com
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