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米バイオ新興 R3 Bio、「脳のないクローン人間」構想を投資家に提案か

公開 拡散指数 48

MIT Technology Review の報道によると、米カリフォルニアの新興企業 R3 Bio が、臓器提供や全身移植用の「脳のないクローン体」を育成する構想を非公開で投資家に提案していた。同社は表向き動物実験代替用のサル組織開発を掲げ資金調達しているが、過激な延命アプローチに生命倫理の専門家から強い批判が集まっている。

米バイオ新興 R3 Bio、「脳のないクローン人間」構想を投資家に提案か
画像:technologyreview.com

不老不死を追い求めるシリコンバレーの富豪たちの間で、SF 映画顔負けの過激な構想が現実のマネーを集めていたことが明らかになりました。

3 月 30 日の MIT Technology Review の報道によると、米カリフォルニア州リッチモンドを拠点とするステルスバイオ新興企業 R3 Bio が、裕福な顧客向けに「脳のないクローン人間」を育成する構想を非公開の場で投資家に提案していたことが判明しました。意識を持たない肉体をスペアの臓器提供源として保管し、将来的には自身の脳を若いクローン体に移植して第二の人生を送る「全身置換」まで視野に入れた計画です。

同社は先週、WIRED 誌を通じてステルス状態を解除したばかりでした。しかしその公の発表では、動物実験の代替として意識を持たないサルの「臓器サック」を開発するための資金を調達したと説明するにとどまり、人間を対象とした野望は伏せられていました。出資者には著名投資家のティム・ドレイパー氏やシンガポールの長寿ファンド Immortal Dragons、LongGame Ventures が名を連ねています。

7 万ドルの密室で語られた「全身置換」

R3 Bio の創業者ジョン・シュロエンドーン氏は、ガレージで DIY ラボを立ち上げた経歴を持つバイオ界のアウトサイダーです。しかし、同社のクローン構想は閉ざされた長寿研究コミュニティで真剣にピッチされていました。

昨年 9 月、ボストンで開催された参加費 7 万ドルの超富裕層向け長寿イベント「Abundance Longevity」で、シュロエンドーン氏らは「全身置換」と題した非公開セッションに登壇しました。会場のスクリーンにクローン用注射針の画像を映しながら、個人のスペア臓器用クローンについて議論したと参加者は証言しています。

シュロエンドーン氏の着想源は、大脳皮質の大部分を欠いて生まれる先天異常の症例です。脳幹さえあれば身体は生存できるため、遺伝子操作で意識や痛覚を司る領域をあらかじめ排除したクローンを作れば、意識がないため臓器を採取しても倫理的に許容されるという極端なロジックを展開していました。

現在、人工子宮は実用化されていないため、最初の脳なしクローンは代理母の女性に報酬を支払って妊娠・出産させる必要があるとも語っていたとされます。参加者の一人はこのプレゼンを「『未知との遭遇』と『ストレンジラブ博士』が混ざり合ったような異様な体験だった」と振り返っています。

同社は報道に対して、脳損傷のある人間やクローンの作成意図を全面的に否定していますが、共同創業者のアリス・ギルマン氏は「将来に向けた仮説的な議論を行う権利は留保している」と述べています。現時点で同社が人間や大型動物をクローン化した証拠はなく、カリブ海の拠点でサルの組織培養から実験を始める段階とみられます。

なぜ重要か

長寿テクノロジーへの投資熱が、ついに常識的な生命倫理の堤防を決壊させかねない領域に踏み込み始めています。

一般の患者や読者にとって、この技術が現実的な医療として役立つ見込みは当面ありません。脊髄の再接続ができない現代の医学では、頭部や脳の移植手術は全身麻痺と死を意味します。仮に臓器の提供元として機能したとしても、クローンを人間の子宮で育てるようなコストとリスクを考えれば、一部の富裕層による極端な延命特権にしかなり得ません。

業界全体にとっても、このような極端な動きは大きなリスクをもたらします。現在、臓器不足の解消に向けては、iPS 細胞を用いたオルガノイドや、遺伝子改変ブタからの異種移植など、より現実的で倫理的合意の得られやすい研究が進んでいます。R3 Bio のような「脳なし人間の育成」というおどろおどろしいアプローチは、再生医療全体に対する世間の不信感と規制強化を招きかねません。

人間を単なる「パーツの集合体」と見なし、意識を奪えば何をしても倫理的にクリアできるという発想は、技術的にも倫理的にもあまりに危ういと言わざるを得ません。老いを恐れる富裕層の焦燥感につけ込んだ極端なバイオベンチャーの暴走に、社会全体がどう歯止めをかけるべきかが今まさに問われています。

情報源 (1)

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    technologyreview.com(新しいタブで開きます)原文technologyreview.com

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