アリババが20B画像モデル「Qwen-Image」公開、英中の文字描画と編集に対応
アリババは20BのMMDiT画像基盤モデル「Qwen-Image」を公開した。英中両言語での複雑なテキスト描画や段落レイアウト、高精度な画像編集をネイティブでこなす点が特徴。画像生成AIが苦手としてきた中国語の文字崩れを大幅に改善するオープンソースモデルとなる。

画像生成AIを使っていて最もストレスを感じるのが、画像内のテキスト崩れです。英単語のスペルが抜け落ちたり、漢字に至ってはデタラメな創作文字になったりすることが珍しくありませんでした。
アリババは20BのMMDiT画像基盤モデル「Qwen-Image」を公開しました。複雑なテキスト描画と高精度な画像編集に正面から取り組んだモデルです。
段落やレイアウトも崩さない文字描画
Qwen-Imageの最大の特徴は、複数行の段落や複雑なレイアウトをネイティブで正しく描画できる点にあります。アルファベット表記の英語だけでなく、表意文字である中国語も高い精度で処理します。
公開されたデモでは、伝統的な中国の対面掛け軸に書かれた書道テキストや、アニメ調の街並みに並ぶ複数の看板文字を破綻なく配置しています。
英語の描画も実用的です。書店のショーウィンドウの事例では、告知文だけでなく、本棚に並ぶ4冊の書籍カバーにそれぞれのタイトルを正確に印字しました。
さらに、6つのモジュールに分かれたインフォグラフィックやプレゼンスライドの生成にも対応します。それぞれのアイコン、見出し、説明文をバランスよくレイアウトし、画面の10分の1以下の小さな手書きメモの文章まで鮮明に表現できることを示しました。英語と中国語のバイリンガル混在にも対応しています。
正確な編集機能とベンチマーク実績
文字描画だけでなく、編集機能も強化されています。マルチタスク学習を取り入れたことで、元の画像の構図や質感を保ったまま、スタイルの変更、被写体の追加や削除、ポーズの変更、テキストの修正が可能です。
ベンチマークでも高い評価を得ています。画像生成向けのGenEvalやDPG、編集向けのGEditやImgEditでトップクラスのスコアを記録したほか、文字描画を測定するLongText-BenchやChineseWordでは既存モデルを大きく引き離しました。
現在はQwen Chat内の画像生成メニューから試すことができます。
なぜ重要か
デザイナーやマーケターにとって、画像生成AIはようやく実用的なバナーやポスターの制作ツールになりつつあります。これまではAIで背景だけを作り、後からデザインソフトで文字を打ち直す作業が必須でした。レイアウトとテキストを同時に仕上げられるなら、制作の手間は劇的に減ります。
業界全体で見ても、オープンソースにおける中国語テキスト描画の空白を埋めた意義は大きいです。英語の文字生成は徐々に進化していましたが、漢字の細かい筆画や多言語レイアウトをこなせるオープンな基盤モデルは極めて貴重です。
文字表現と編集性という、実務で最も要求される課題にフォーカスした点は賢明なアプローチだと評価できます。一方で、20Bというモデルサイズはローカル環境で動かすには重いため、今後はコミュニティによる量子化や軽量化がどこまで進むかが普及の鍵になりそうです。
情報源 (2)
- venturebeat.com(新しいタブで開きます)原文venturebeat.com
- qwenlm.github.io(新しいタブで開きます)報道qwenlm.github.io