クアルコム、ベトナムVinAIの生成AI部門を買収
クアルコムは月曜日、ベトナムのスタートアップVinAIの生成AI部門を買収したと発表した。買収額は非公開。元DeepMind研究者が率いる視覚や言語モデルの技術チームを取り込み、スマートフォンやPC、車載チップにおけるオンデバイスAIの処理能力を底上げする狙いだ。

オンデバイスAIの競争が激化するなか、半導体大手は自前開発だけでなく、実績のあるAI研究チームの買収を急いでいます。
Qualcommはベトナム・ハノイに本拠を置くAI研究企業VinAIの生成AI部門を買収したと発表しました。買収額は非公開です。
元DeepMind研究者が率いるAIチームを獲得
VinAIはベトナムの大手財閥VinGroupの支援を受け、元DeepMindのリサーチサイエンティストであるHung Bui氏が2019年に設立しました。
これまで同社は車載モニタリングやセキュリティ、スマートパーキングといった自動車向けソリューションを中心に、コンピュータビジョンや言語モデルの基礎研究を手がけてきました。Bui氏が2023年のインタビューで語ったところによると、ハノイ、米国、オーストラリアの拠点に約200人の従業員を抱えていました。
今回の買収に伴い、VinAIのCEOであるBui氏はQualcommに合流します。Bui氏によると、同チームの知見はスマートフォン、PC、車載向けチップとソフトウェアを含む幅広い製品群の開発に活用される見込みです。
エッジAIシフトを加速させるQualcomm
QualcommによるAI企業の買収は今年に入って2件目です。同社は3月初旬にも、IoT・エッジ向けAIを手がける米Edge Impulseの買収を発表していました。
QualcommのCristiano Amon CEOは、データセンターのクラウドを介さず端末上で動作するエッジAIを、同社にとって強力な追い風だと位置づけています。
なぜ重要か
Qualcommの狙いは明確で、強力なNPUハードウェアだけでなく、その上で動く生成AIモデルと開発ツールの両方を自前で揃えることにあります。
自動車メーカーやPC、スマートフォン開発者にとって、車載カメラを用いたドライバー監視やローカル環境での画像認識といった機能を、チップレベルで最適化された状態で利用できるようになるメリットは大きいです。
業界全体で見ても、クラウド依存から端末完結型への移行が進むなか、MediaTekなどの競合に対してソフトウェア資産で先手を打つ動きと言えます。
ただし、買収した研究チームを既存の半導体プラットフォームへスムーズに統合できるかは未知数です。車載向けに強みを持つチームの成果を、スマートフォンやPC向けエコシステムへいかに波及させられるかが今後の焦点になります。
情報源 (1)
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com