米Propheticが「明晰夢」を誘導するAIモデル「Morpheus-1」を発表
神経テクノロジー企業の米Propheticは明晰夢の誘導と安定化を試みるAIモデル「Morpheus-1」を発表した。脳の活動状態をプロンプトとして超音波ホログラムを生成・照射する仕組みで、今春テスト開始予定の専用ヘッドバンド「The Halo」に搭載される。

映画『インセプション』のように、自分の夢を自覚し、思い通りに操る世界が現実に近づいているかもしれません。
ニューロテクノロジー企業の Prophetic は、明晰夢(夢の中で自分が眠っていると自覚している状態)を誘発し、安定して維持させることを目指す AI モデル「Morpheus-1」を発表しました。
脳の状態をプロンプトにし、超音波を出力する
ギリシャ神話の夢の神にちなんで名付けられた Morpheus-1 ですが、その基盤は ChatGPT や Midjourney と同じ Transformer アーキテクチャです。わずか 8 基の GPU を使い、2 日間でトレーニングされたといいます。
このモデルは文章や画像を生成するのではなく、睡眠中の脳の活動状態を「プロンプト」として受け取ります。そして、その状態に応じた超音波ホログラム(成形された音波)を出力します。
Prophetic は今春、この技術を搭載した「The Halo」というヘッドバンド型デバイスのベータ版を提供する予定です。この非侵襲型ウェアラブル機器が脳へ超音波信号を送り、自然な明晰夢に見られる神経活動パターンを再現することで、意識の覚醒を安全に促す仕組みです。
従来、明晰夢を見るための訓練法は、睡眠後4時間で一度起きて集中してから二度寝するなど、睡眠の質を著しく損なうリスクがありました。同社は自社の超音波アプローチが、睡眠を乱さずにオンデマンドで意識体験をもたらす安全な手法になると主張しています。
なぜ重要か
明晰夢は単なるエンターテインメントにとどまりません。過去の研究では、夢の中でスクワットを行うと身体は動いていないのに心拍数が実際に上昇することが確認されています。さらに、悪夢障害やPTSD、うつ病の治療アプローチとしても注目されてきました。
もしこのデバイスが機能すれば、自分の意識をコントロールする新たな手段として、心理療法や自己理解の研究にブレークスルーをもたらす可能性があります。
しかし、現時点で過度な期待を抱くのは禁物だと私たちは考えます。わずか 8 基の GPU で 2 日間学習させただけのモデルで、極めて複雑な脳の意識状態を狙い通りに操作できるのか、科学的な裏付けはまだ十分とは言えません。
メディアの記者からも「コンセプトは魅力的だが、自分の脳や夢を AI に委ねる気にはなれない」という慎重な声が出ています。頭部に超音波刺激を与え続けることの長期的な安全性や、本来の睡眠構造への影響について、厳密な検証結果を見守る必要があります。
情報源 (1)
- tomsguide.com(新しいタブで開きます)原文tomsguide.com