Perplexity、Mac向けに完全ローカル実行の「Computer」を提供開始
PerplexityはAppleシリコン搭載Mac向けに「Computer」の完全ローカル実行機能を発表した。AIモデルやタスク実行がすべて端末内で完結し、メモやメールなどの私的データをクラウドに送信せず安全に処理できる。Qwen 3.6またはPPLX Proを選択でき、推奨メモリは36GB以上となる。

大容量メモリを積んだMacをお持ちなら、個人の財務データやメッセージ履歴、日々のメモをクラウドに一切送ることなくAIに任せられる環境が整いました。
Perplexityは、Mac上で完全にローカル動作するPerplexity Computerの提供を開始しました。Pro、Max、Enterpriseの契約者向けで、Appleシリコンを搭載した端末上ですべてのモデル実行、タスク計画、ツール操作が完結します。
ネイティブアプリを横断してサンドボックス内で実行
Perplexityは5月にローカル連携機能を導入し、先月にはクラウド推論と端末内処理を組み合わせるHybrid Computeを発表していました。今回はその仕組みを一歩進め、タスクの全工程をMacローカルに収めています。
ユーザーの許可を得た上で、AIはローカルファイルやMac標準アプリの間を横断して作業します。対応アプリにはメモ、メッセージ、メール、Numbersのほか、ExcelやOutlook、Keynoteなども含まれます。
例えば、メッセージに届いた予算の相談を確認し、メモアプリのToDoを照合した上で、ローカルのExcelから支出データを抽出し、会議設定を含めた進捗報告書を下書きするといった一連の作業を自動でこなします。
セキュリティ面では、コードやツールの実行はアクセス制限されたサンドボックス内で行われるため、端末内の意図しないファイル変更を防ぐ設計になっています。
Qwenベースで動作、ただし36GB以上のメモリを推奨
端末側で動作するモデルとして、Qwen 3.6と、それを独自調整したPPLX Proの2種類が用意されています。
ただし、複雑なエージェント処理を端末内で完結させるため、要求スペックは高めです。公式には36GB以上のユニファイドメモリを推奨しており、M6搭載の新しいMac miniやM5 Pro搭載機などが対象として挙げられています。
最新のWeb検索やブラウザ操作、あるいは高度な推論のために15種類以上の最先端クラウドモデルを呼び出したい場合は、ワンタップでクラウドへエスカレーションできるハイブリッド構成も維持されています。
なぜ重要か
財務データや社外秘資料を日常的に扱うビジネスユーザーや開発者にとって、機密情報を一切外部に送信せずにデスクトップ自動化を行える安心感は絶大です。対象スペックのMacを所持しているなら、クラウド利用クレジットの節約とセキュリティ確保の両面から、今すぐ試す価値があります。
業界全体で見れば、端末内AIの主戦場が単なるチャットボットから、OSレベルで複数アプリを操作する自律型エージェントへと移ったことを示しています。ローカルモデルが実用的な作業をこなせるようになれば、クラウド推論に依存した課金ビジネスモデルの一部は確実にローカルへ置き換わっていきます。
Perplexityのアプローチは、完全ローカルの閉鎖性に固執せず、必要に応じてクラウドの先端モデルへ逃がせる柔軟性を持たせた点で非常に巧妙だと評価できます。しかし、推奨メモリが36GB以上という敷居の高さは大きな制約であり、一般ユーザーが恩恵を受けるにはまだハードウェア側の底上げを待つ必要があります。
情報源 (2)
- perplexity.ai(新しいタブで開きます)原文perplexity.ai
- theverge.com(新しいタブで開きます)報道theverge.com