ornith-aiがOrnith-1.5-122Bを公開、単一GPUで動作しQwen3.8超えを記録
ornith-aiはHugging Face上でオープンソースのMoE推論モデル「Ornith-1.5-122B」を公開した。総パラメータ122Bながら単一の80GB GPUで稼働し、SWE-benchなどのコーディング評価でQwen3.8-Flash-Nextを上回る性能を示す。モバイル端末向けの量子化版も用意されている。

Ornith-1.5-122Bは、ornith-aiが公開した122BパラメータのオープンソースMoE(Mixture of Experts)推論モデルです。高度なプログラミングや自律型エージェントタスク向けに設計されています。
前世代のOrnith-1.0はQwen3.5やGemma4をベースに追加学習を行っていましたが、今回の1.5ではエンドツーエンドの自己改善ループを導入しました。人手による固定タスクに依存せず、訓練タスクの自動生成から実行足場の構築、強化学習によるポリシー改善までを一貫して最適化しています。
スペックとベンチマーク結果
総パラメータ数は122Bですが、トークン生成時のアクティブパラメータは約10Bに抑えられています。最大の強みは、この規模でありながら単一の80GB GPUで推論サーバーを立ち上げられる点です。モバイル端末向けの量子化版「Ornith-1.5-122B-Mobile」も用意されています。
ベンチマークでは、競合となるQwen3.8-Flash-Next(125B)に対して多くの指標で優位に立ちました。ハッキング防止措置を施したSWE-bench Proでは76.9を記録し、Qwen3.8-Flash-Nextの43.9を大きく突き放しています。SWE-bench Verifiedでも84.5(対82.8)と上回りました。
ツール付きの難関推論HLEでは48.0対38.0、リポジトリ自動生成テストNL2Repoでも51.2対45.2とリードしています。一方でTerminalBench 2.1では81.2にとどまり、Qwen3.8-Flash-Nextの83.4をわずかに下回りました。
導入と動かし方
モデルウェイトはHugging Faceで公開されており、Google ColabやKaggle向けノートブックも用意されています。
動作には比較的新しいライブラリが必要で、Transformers 5.8.1以上、vLLM 0.19.1以上、またはSGLang 0.5.9以上が推奨されています。
ネイティブのコンテキスト長は262,144トークンです。さらに長文を扱う場合は、vLLMやSGLangでYaRNスケーリング(係数4.0)を指定することで、約100万トークンまで拡張可能です。ただしYaRNを常時有効にすると短い入力の品質がわずかに低下するため、用途に応じた設定が求められます。
サーバー起動後はOpenAI互換APIとして利用でき、思考プロセスの分離出力や関数呼び出しにも標準対応しています。
なぜ重要か
オンプレミスや自社サーバーで高精度なコーディングエージェントを構築したい開発者にとって、80GB GPU 1枚で稼働する122B MoEは極めて実用的な選択肢です。複数GPUをまたぐ並列処理の管理コストを大幅に省けます。
自己生成タスクによる強化学習だけで既存の競合モデルを上回る精度を出した点も示唆に富んでいます。長文推論時のレイテンシを許容できるタスクであれば、今すぐ検証してみる価値のあるモデルと言えます。
情報源 (1)
- huggingface.co(新しいタブで開きます)原文huggingface.co