NVIDIA、Web動画を4K化する「RTX Video Super Resolution」発表
NVIDIAはCES 2023にて、Web動画をAIで高画質化する新機能「RTX Video Super Resolution」を2月に提供すると発表した。GeForce RTX 30/40シリーズ搭載PCのChromeおよびEdgeブラウザで、1080p動画を4Kにアップスケールできる。RTX 20シリーズやFirefoxへの対応は現時点で未定。
4KディスプレイをPCに繋いでいるのに、ブラウザで見る動画がぼんやりして物足りないと感じたことがある人は多いはずです。多くの動画配信サービスはPC向けブラウザでの再生品質を1080pまでに制限しており、高解像度ディスプレイの性能が持て余されていました。
NvidiaはCES 2023の「Nvidia Studio」関連発表の中で、ブラウザ動画をAIで高画質化する新機能「RTX Video Super Resolution」を披露しました。2月から提供を開始する予定です。
対象となるのはRTX 30シリーズおよび40シリーズのGPUを搭載したPCで、Google ChromeとMicrosoft Edge上で再生される1080p動画を4K解像度へ自動でアップスケールします。
ゲーム向け技術をWebブラウザへ応用
公開されたデモ動画では、1080pの『Apex Legends』プレイ映像を4Kへ引き上げる様子が紹介されました。拡大された比較画面では、近景や遠景のオブジェクトに現れていたブロック状の圧縮ノイズがAIによって滑らかに除去されているのが確認できます。
ただし、今回示されたクリップは画面の動きが緩やかで、動きの激しいアクションシーンや急なカット割りに対してどのような補正結果になるかはまだ分かりません。
初期バージョンならではの制約もあります。対応するのは1080pから4Kへの拡大のみで、ネット上に溢れる720p動画の補正には未対応です。ブラウザもChromeとEdgeに限定され、Firefoxへの対応時期は明かされていません。
さらに、DLSSに対応しているはずのRTX 20シリーズが対象から外れている理由について、Nvidia側は説明していません。また、PC内に保存されたローカル動画ファイルで本機能が使えるかどうかも未定のままです。
なぜ重要か
高精細ディスプレイを使うPCユーザーにとって、この機能は直接的な恩恵をもたらします。NetflixやYouTubeを除く多くの大手配信サービス(Amazon Prime VideoやHuluなど)は、PCブラウザでの再生を1080pに制限しています。RTX Video Super Resolutionが狙い通りに機能すれば、プラットフォーム側の配信仕様を問わず、実質的に4K相当のクリアな映像を楽しめる回避策になります。
業界の視点で見ると、Nvidiaはゲーム描画やクリエイティブ用途にとどまっていた端点AIの利用価値を、より日常的な動画視聴へと広げようとしています。RTXエコシステムから離れられなくする巧みなアプローチと言えます。
配信サーバー側の帯域やエンコードコストを増やさず、ユーザー側の余剰GPUパワーで画質を底上げする手法は非常に合理的です。一方で、単なるWeb動画の再生でどれだけ電力消費やファンの騒音が増えるのかという懸念は残ります。また、普及台数が多いRTX 20シリーズを切り捨てた点は、旧世代ユーザーにとっては少々不満の残るスタートになりそうです。
情報源 (1)
- techspot.com(新しいタブで開きます)原文techspot.com