Nothing Phone 3、AIへの指示だけでアプリを生成・共有できる新機能
NothingはNothing Phone 3向けに「Playground」と「Essential Apps」を発表した。ユーザーはプロンプトを入力するだけでアプリやウィジェットを生成し、他者と共有できる。現在はアルファ版で、AI中心のOS構築に向けた初期段階の試みとなる。

水分補給を記録するだけのウィジェットが欲しいのに、アプリストアで広告だらけのアプリを探すのはもううんざりだという人に、Nothingが新しい選択肢を示しました。
同社は9月30日、テキスト指示でアプリを生成できるAIツール「Playground」と、作成したアプリを共有できる配信プラットフォーム「Essential Apps」を発表しました。Androidベースの「Nothing OS 4」上で動作し、まずは最新のNothing Phone 3シリーズ向けに独占提供されます。
プロンプトで小規模アプリを作り、共有する
使い方はシンプルで、欲しい機能を自然言語で入力するだけです。AIがコードを生成し、スマートフォン上で動く形に仕上げてくれます。他のユーザーが作った作品をEssential Appsからダウンロードし、色や動作条件をプロンプトでアレンジする「リミックス」も可能です。
NothingのAI責任者Sélim Benayat氏によるデモでは、Nothing Phone 3の背面に搭載された「Glyph Matrix」サブディスプレイ向けのアニメーションを作成。丸い目が2つ跳ね回る顔を作ってほしいと指示したところ、AIがグラフィックを生成し、実機に転送して表示させました。
現在はアルファ版という位置づけで、作成できるのはウィジェットや軽量なツールに限定されています。提供初期の例としては、フライト情報のリマインダー、水分補給トラッカー、次のミーティング概要、育成ペット、Flappy Bird風のミニゲームなどが並びます。技術に詳しいユーザーであれば、生成されたコードを直接手動で修正することも可能です。
ただし、現時点では技術的な成熟度を理由にフルスクリーンアプリの作成は制限されています。また、生成された機能が実機で正常に動作する保証はまだないとしています。
2億ドル調達の先に描く「AI主導OS」
今回の発表は、NothingがTiger Global主導のラウンドで2億ドルを調達した直後の動きです。CEOのカール・ペイ(Carl Pei)氏は以前から、大手メーカーが安全策ばかり選んでAppleの追従に終始し、スマートフォンのソフトウェア進化が遅すぎると不満を漏らしていました。
Nothingが目指しているのは、将来的なAI専用OSやAI特化型ハードウェアの開発です。今回の取り組みはその足がかりと位置づけられています。旧機種への提供については、メモリ容量などを考慮しながら検討する方針です。ツールの利用は現在完全無料で、有料プランの予定もなく、まずはコミュニティ作りを優先するとしています。
なぜ重要か
Nothing Phone 3のユーザーにとって、この機能は面白い実験場になります。日常のちょっとした不満を解消するミニアプリを、自前で手軽に用意できるのは魅力的です。ただ、現時点でこれを理由に端末を買うべきかというと、まだ早いと私たちは考えます。作れるものがウィジェットに限られ、動作も不安定なアルファ版だからです。
業界全体から見れば、Rabbit R1などが挑んできた「アプリストア不要論」を、大手ではないハードウェアメーカーがスマートフォン上でどう実現するかという実証実験といえます。IDCのデータによるとNothingの世界シェアは1%未満であり、すぐにGoogle Playの脅威になるわけではありません。またAppfiguresの分析が示すように、これまでスマホ上でコード生成を試みたアプリの多くはセキュリティとメンテナンスの壁にぶつかってきました。
私たちは、Nothingがフルスクリーンアプリに手を出さず、ウィジェットや背面LEDの演出といった小さな機能から始めた点を賢い判断だと見ています。コードが壊れてもシステム全体への影響が少なくて済むからです。しかし、ユーザー間でのコード共有を認める以上、悪意あるスクリプトの混入をどう防ぐかというセキュリティ面の課題は重くのしかかるはずです。
情報源 (2)
- cnet.com(新しいタブで開きます)原文cnet.com
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com