本文へスキップ
IFAI

画像・動画生成

画像生成の老舗「NightCafe」の現在:9人体制で年商400万ドル、黒字経営を維持

公開 拡散指数 37

TechCrunch が画像生成プラットフォーム NightCafe の事業実態を報じた。自社で基盤モデルを学習せず、他社モデルの集約UIとコミュニティ運営に特化することで、わずか9人のチームで年商400万ドル、年間約200万ドルの利益を達成している。

画像生成の老舗「NightCafe」の現在:9人体制で年商400万ドル、黒字経営を維持
画像:techcrunch.com

MidjourneyやDALL-E 2が登場する前、オーストラリアのわずか9人のチームがAI画像生成で黒字ビジネスを築き上げていました。それが2019年設立の「NightCafe」です。外部資本を一切入れないブートストラップ経営を続けながら、現在も年間約200万ドルの純利益を稼ぎ出しています。

共同創業者のElle Russell氏がTechCrunchの取材で明かしたところによると、同社の年換算売上高は約400万ドルで、粗利益率は約50パーセントに達します。これまでに2500万人以上のユーザーが約10億枚の画像を生成しており、月間訪問者数は約100万人、有料会員数は2万人に上ります。

失敗したインテリア通販から生まれた大逆転

NightCafeの始まりは2019年に遡ります。創業者のAngus Russell氏がシドニーの新居に飾るアートを探したものの気に入るものが見つからず、AI生成アートを印刷して販売するサイドビジネスとして立ち上げました。しかし額入りポスターは全く売れず、利用者は無料の画像生成機能ばかりを使っていました。

転機はある月のサーバー代の急増でした。一人のユーザーが数日間で数千枚の画像を生成したため、悪用防止策として生成クレジット制を導入したところ、クレジットを購入したいという要望が殺到しました。さらに2021年中盤、オープンソースのVQGANとCLIPをいち早く自社サーバーに組み込んだことでReddit上で爆発的な話題を呼び、1日で1万7000ドルを売り上げました。

自前モデルを持たない「UIとコミュニティ」戦略

現在のNightCafeは、自社で基盤モデルを学習させることを完全に放棄しています。機械学習の研究者は社内に一人もおらず、自らを「UIとコミュニティの会社」と位置付けています。

同社はStable DiffusionやIdeogram、Google、Black Forest Labsなどの最新モデルをAPIや自社ホスティング経由で集約し、直感的なインターフェースで提供しています。月額4.79ドルから50ドルというMidjourneyよりも手頃な価格設定で、モデルのファインチューニング機能やユーザー同士のアートコンテスト機能を提供しています。自社学習を行わないことで、モデル開発元が直面している著作権侵害訴訟のリスクを巧みに回避し、生成物の責任をユーザー側に帰属させる規約を採用しています。

政治的コンテンツへの姿勢も競合とは対照的です。Midjourneyが大統領選を控えてトランプ氏やハリス氏の生成を全面的に禁止する一方、NightCafeは生成自体を許可し、公開フィードへの掲載のみを制限する緩やかな方針をとっています。

なぜ重要か

NightCafeの成功は、巨額の計算資源を投じる基礎モデル開発だけが生成AIビジネスの正解ではないことを証明しています。使いやすい操作画面、適正な価格設定、そして活発なコミュニティがあれば、わずか9人のチームでも十分に高収益な事業を継続できます。一般のユーザーにとっても、複数の最新モデルを一つの定額プランで横断的に試せる利便性は高く、日常的な画像生成ツールとして今でも試す価値があります。

しかし、このアグリゲーターモデルには明確な弱点もあります。自前の技術を持たない以上、上流のモデル提供者が自社UIを改良したりAPI価格を引き上げたりした場合、差別化の余地は一気に縮小します。

また、著作権リスクをユーザーに丸投げし、政治的ディープフェイクの生成を黙認するようなモデレーション方針は、短期的にはトラフィックを維持できても、法規制が強まる今後の市場環境では大きな経営リスクになり得ると私たちは考えます。

情報源 (1)

  1. [1]
    techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com

毎日のAIピックアップ