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業界動向

米当局、テスラの無人タクシー「Cybercab」の安全基準調査を開始

公開 拡散指数 51

米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、テスラがテキサス州オースティンで導入したハンドルやペダルのない自動運転車「Cybercab」の安全基準調査を開始した。自己認証に用いた技術データを精査する方針で、不適合の場合はリコールや罰金のリスクがある。

オースティンでの華々しい出発から、わずか1日後の急展開でした。

米国家道路交通安全局(NHTSA)は、テスラがテキサス州オースティンで運行を開始したばかりの無人タクシー「Cybercab」に対し、連邦安全基準に適合しているかを調べる調査を開始しました。これを受けて金曜日のテスラ株は前日の上昇分をすべて打ち消し、約6パーセント安の354.08ドルまで急落しました。

ステアリングのない「自己認証」

事の発端は木曜日、イーロン・マスク氏がオースティンで招待客向けにCybercabの運行を開始したことです。テキサス州にはすでに45台が登録され、近未来的な2人乗り車両が街を走り出しました。

問題視されているのは、この車両にステアリングホイールやブレーキペダル、さらにはバックミラーといった従来の車に義務付けられている部品が一切ない点です。テスラはメーカーが自ら基準適合を宣言する「自己認証」制度を利用して公道に投入しましたが、NHTSAはその技術データと認証プロセスに疑義を抱き、監査に入る方針を示しました。もし非準拠と判断されれば、リコール命令や高額な罰金が科される可能性があります。

実は3年前、米Zooxも同様にステアリングのない自動運転タクシーを自己認証で投入し、当局の審査を受けました。最終的に認められたものの、公式な審査完了までには時間を要しました。

さらにテスラは現在、自動運転ソフトウェアに関する複数の調査を抱えています。濃霧や逆光などの視界不良時に歩行者が死亡した衝突事故への関与、赤信号無視や逆走による事故、そして事故報告義務の遅延疑惑などが重なっています。テスラは1年以上前から通常の市販車を使ったロボタクシー網をオースティンやフロリダなどの5都市で走らせており、将来は3万ドル未満でCybercabを一般販売する計画を掲げています。

なぜ重要か

一般ユーザーや移動サービスに関心がある人にとって、手放しで普及を喜ぶのはまだ早いと言えます。オースティンでの運行はまだ招待制の小規模な段階であり、緊急時に人間が操作できない車両が全米に広がるハードルは極めて高いままです。

テスラのやり方は、まず走らせて既成事実を作り、後から規制当局を追いつかせるという従来の強気な手法そのものです。しかし、今回ばかりはその賭けに大きなリスクが伴うと私たちは考えます。

Zooxと異なり、テスラはすでに複数の死亡・逆走事故に関するソフトウェア調査を抱えており、当局の視線はかつてなく厳しくなっています。手動介入が不可能なCybercabの自己認証を当局がそのまま容認するとは考えにくく、3万ドル未満という意欲的な量産計画も、連邦基準の壁によって大幅な軌道修正を迫られる可能性があります。

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