NBAが「NB-AI」を披露:試合映像を瞬時に「スパイダーマン風アニメ」に変換
NBAのアダム・シルバーコミッショナーが技術サミットで「NB-AI」をデモ公開した。音声指示で生中継の視聴体験をカスタマイズでき、試合をスパイダーマン風のアニメ調に再生成したり、選手が履いているバッシュをその場で特定して購入できる。現在はコンセプト段階の展示となる。
試合の生中継を見ながら、スマホに向かって「スパイダーマンの映画みたいにして」と頼むと、画面上の選手たちが一瞬でアメコミ調のアニメキャラクターに早変わりする。
そんな近未来の観戦体験を、NBAコミッショナーのアダム・シルバー氏がオールスター・テックサミットで披露しました。スパーズの怪物ルーキー、ビクター・ウェンバンヤマ選手とともに壇上に上がったシルバー氏は、「NB-AI」と名付けられたコンセプトインターフェースをデモしました。
バスケ中継がリアルタイムでアニメ化
NB-AIは、NBAの独自データでトレーニングされた特化型デジタルアシスタントで、公式アプリ上での視聴体験をパーソナライズすることを目的としています。
壇上でシルバー氏が「スパイダーマン映画風に再現して」と指示を出すと、システムは即座にプレイを再構築しました。実写の選手たちがコミック調のキャラクターに置き換わり、ドラマチックな劇伴やエフェクトが追加された映像が生成されました。
ウェンバンヤマ選手もデモに参加し、より実用的な機能を紹介しました。試合中継を見ながら選手が履いているバッシュをその場で特定して購入したり、その瞬間に最も競り合っている熱い試合をAIに探させたりすることが可能です。
シルバー氏は毎年オールスター期間中に先進技術を披露するのが恒例で、過去には番号や色が変わるジャージや、ファンの顔をハイライト映像に合成するAR技術を見せてきました。今月初めにはアップルのティム・クックCEOとも会談し、Vision Proの活用について協議したばかりです。
なぜ重要か
私たちは、この取り組みが若年層のスポーツ離れに対するNBAなりの非常にスマートな回答だと考えています。
ユーザー視点で見れば、試合中継の受動的な観戦から能動的なエンタメへの転換です。コアなファンは従来のカメラで戦術を追い、アニメやポップカルチャーが好きなライト層は好みのビジュアルで試合を楽しめます。気になったスニーカーを即座に買える仕組みも、ファンとリーグ双方にとって実用的な価値があります。
一方で、技術的・法的なハードルは極めて高いと言わざるを得ません。OpenAIが動画生成モデルSoraを発表したばかりの現在、高解像度の生中継映像を低遅延で破綻なく再レンダリングする計算コストは非現実的であり、今回はあくまで演出されたコンセプトデモの域を出ません。
さらに深刻なのは選手の肖像権(NIL)の問題です。AIで選手の外見をアニメや別のアバターに置き換えて配信・商用利用する場合、権利関係をどうクリアするのかという新たな火種を生みます。すぐに一般提供される機能ではないものの、プロスポーツ中継が生成AIと融合していく方向性を明確に示した一手と言えます。
情報源 (2)
- youtube.com(新しいタブで開きます)原文youtube.com
- sports.yahoo.com(新しいタブで開きます)報道sports.yahoo.com