正体不明の画像AI「Red Panda」がブラインド評価で首位、Midjourney超え
画像生成AIのブラインド比較を行う「Text-to-Image Arena」で、正体不明の新モデル「Red Panda」が首位を獲得した。Eloレート1172、勝率72%を記録し、Midjourney v6やDALL-E 3を上回った。開発元は未公表で、正式公開前の性能テストとみられる。

画像生成AIのベンチマークに突如現れた謎のモデルが、業界の勢力図を揺るがしています。
ブラインドテスト形式で画像モデルを比較する「Artificial Analysis」のText-to-Image Arenaで、突如首位に躍り出た正体不明のモデル「Red Panda」。Midjourney v6やDALL-E 3、Stable Diffusion 3 Large、FLUX.1 [pro]を退けて話題となっていたこのモデルの正体が、デザイン系スタートアップRecraftの最新モデル「Recraft V3」だったことが明らかになりました。
謎のモデルが首位を独占した理由
Text-to-Image Arenaでは、同一のプロンプトから生成された2枚の画像がラベルなしで提示され、ユーザーが画質や忠実度、破綻の少なさをもとに好みの1枚に投票します。
Red Pandaはこの検証で勝率72%、Arena Eloスコア1172を記録しました。
このスコアは、XのGrokなどで採用されているBlack Forest LabsのFLUX 1.1 [pro]に40ポイントもの差をつける結果です。ZDNETによる60回のブラインド検証でも、Red Pandaは安定した高品質ぶりを見せ、MidjourneyやFLUX.1に並ぶ勝率を叩き出していました。
正式発表前に謎のアカウントとしてArenaに投入し、実力値だけで話題を集める手法は、近頃のAI業界で定番のティザー戦術となりつつあります。
アート生成から実務デザインへのシフト
正体を明かしたRecraftは、V3の強みが「グラフィックデザインの実務」と「ベクター対応」にあるとアピールしています。
特筆すべきは文字生成の精度です。従来のモデルが苦手としていたテキスト描画について、Recraft V3は任意の長さやサイズの正確な文字列を崩さず画像内に配置できるとしています。
さらに、人体の解剖学的な描写の正確さ、構図内でのオブジェクトの配置や間隔の制御、プロンプト追従性も向上しました。プラットフォーム側にはブランド指定色の設定や配置ツール、共同編集ワークフローも備わっています。
なぜ重要か
デザイナーやマーケターにとって、Recraft V3は単なるお絵描きツールを超えた実用的な選択肢になります。これまでの画像生成AIは、絵が綺麗でも文字が崩れるため、結局Photoshopなどで修正する二度手間が発生していました。画像内に破綻のないテキストをそのまま配置でき、ベクター出力も視野に入るなら、バナーやチラシのラフ作成において今すぐ試す価値があります。
業界全体で見ても、Recraftのアプローチは極めて実用的で賢い判断だと考えられます。MidjourneyやFLUXが写実性やアート表現を競い合うなか、Recraftは「正確な文字」「ブランドカラーの遵守」といった実務現場の面倒な要件を埋めに来ています。Arenaでのハイスコアが実際の複雑な商用デザイン案件でも持続するかは今後の検証が必要ですが、生成AIが鑑賞用からワークフロー組み込み型へ移行する流れを後押しする動きと言えます。
情報源 (1)
- zdnet.com(新しいタブで開きます)原文zdnet.com
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