本文へスキップ
IFAI

AIモデル

模思智能が「MOSS-Live」発表:会話を止めずに裏でタスクをこなす全二重AI

公開 拡散指数 66

模思智能が全二重リアルタイム対話システム「MOSS-Live」を発表した。音声と画面を同時に理解しながら、相づちと本当の割り込みを正確に判別。会話を続けながら裏でツールを動かして調べ物やタスクをこなせる。現在WebデモとAPIが公開中。

模思智能が「MOSS-Live」発表:会話を止めずに裏でタスクをこなす全二重AI
画像:moss-live.com

MOSS-Liveは、模思智能(Moss)が公開した全二重リアルタイム対話システムです。人間と電話で話すかのように自然に会話を続けながら、バックグラウンドでツール呼び出しや複雑なタスクを並行処理できます。

音声対話だけでなく、スマートフォンのカメラ映像や画面共有、周囲の環境音を組み合わせたリアルタイムなマルチモーダル認識に対応しています。従来のトランシーバーのような交代制対話を脱し、聞きながら話す真の全二重インタラクションを実現しているのが特徴です。

何ができるのか

従来の音声AIで最大のストレスは、考え中の沈黙を会話終了と誤認したり、相づちを打っただけで発話を止めてしまったりする点でした。

MOSS-Liveは文脈と意味理解を重視して設計されています。公開されたFDB v1ベンチマークにおいて、沈黙時の不要な割り込み率はわずか1.44%で、GPT Realtime 2.1の3.83%やGPT-Live-1の10.37%を大きく下回りました。またτ-Voice耐干渉テストでは、相づちに対する耐性が98.17%、口癖や無関係な音声に対する耐性もそれぞれ82.16%と78.90%に達しています。

話者が言葉に詰まっても勝手に口を挟まず、聞き手の相づちを聞き流しながら説明を継続できます。一方で、ユーザーが明確な質問を挟んだ場合は即座に話を止めて耳を傾けます。

話題を急に変えたり何度も割り込んだりしても文脈を見失わず、FDB v1の割り込み後回答品質テストでは5点満点中4.88点を記録しました。車載ナビの音声や周囲の雑音による誤反応率も2%に抑えられています。さらに、ストリーミング同時通訳や、暗記の誤りをその場で指摘したり会議で条件を満たした際に発言したりする能動的介入にも対応します。

仕組み:フロントとバックの協調設計

MOSS-Liveは、1つのモデルにすべての処理を背負わせるのではなく、フロントエンドとバックエンドを明確に分離した設計を採用しています。

フロントエンドモデルはリアルタイムの軽量な知覚と会話テンポの制御を担当します。音声、映像、環境音を常時監視し、返答・待機・割り込み受け入れのタイミングを判断します。

バックエンドモデルは長時間の深い推論やツール実行を受け持ちます。旅行ルートの相談中にホテル検索を頼まれた場合でも、フロントが会話を繋ぎながら裏で検索を走らせます。

協調層が文脈とタスクの進捗を同期し、バックエンドの処理が終わった段階で会話の自然な切れ目に結果を差し込みます。FDB v3ツール呼び出し成功率は51%、τ-Voice複数ターンスクリプト成功率は57.93%を記録しています。

試用方法と公開状況

現在、模思智能の公式サイトでWebデモが公開されているほか、開発者向けプラットフォームにて期間限定無料のAPI提供が始まっています。

ブラウザ上でマイクやカメラへのアクセスを許可するだけで、リアルタイムビデオ通話や画面共有対話を直接テストできます。開発者はAPIキーを取得して全二重音声機能を自社プロダクトに組み込むことが可能です。

なお、現時点で利用できるのはクラウドベースのWebデモとAPIのみで、ローカル実行用のモデル重みは公開されていません。

なぜ重要か

車載アシスタント、オンライン会議の同席AI、リアルタイム道案内などの対話型エージェントを開発しているエンジニアにとって、今すぐ触る価値のあるシステムです。

「ツールを動かすたびに会話が止まる」「相づちでAIが黙り込む」という現場の不満に対し、前後の役割分担で真っ向から解を出した点は非常に実践的だと評価できます。

まずは全二重のテンポ制御とノイズ耐性に磨きをかけて体験差を作ったアプローチは見事です。今後、重みの公開やオンプレミス展開の選択肢が用意されるかどうかが、実務への本格導入の鍵になりそうです。

情報源 (3)

  1. [1]
    moss.cn(新しいタブで開きます)原文moss.cn
  2. [2]
  3. [3]

毎日のAIピックアップ