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業界動向

マイクロソフトが「Xbox Labs」設立、AIによるゲーム移植と逆コンパイルを研究へ

公開 拡散指数 45

米マイクロソフトは新組織「Xbox Labs」の発足を発表した。ModコミュニティがAIを活用してPCゲームをブラウザやApple Siliconへ移植する動きを受け、AIによる逆コンパイルや再コンパイルを本格的に研究する。得られた知見やツールは業界全体の開発者にも共有される方針だ。

マイクロソフトが「Xbox Labs」設立、AIによるゲーム移植と逆コンパイルを研究へ
画像:theverge.com

最近、レトロゲーム界隈がかつてない熱気に包まれています。有志のモッダーたちが AI を駆使して Windows 向けゲームを Apple Silicon に移植したり、ウェブブラウザ上で動かしたり、挙げ句の果てには複数の大作タイトルのソースコードを混ぜ合わせるような実験が相次いでいるためです。

こうした混沌とした動きを前に、マイクロソフトは法的手段で封じ込めるのではなく、自らその波に乗る決断を下しました。

AI によるゲーム逆コンパイルを研究する新組織

Xbox の CEO を務める Asha Sharma 氏は、社内向けメモを通じて新グループ「Xbox Labs」の設立を発表しました。ゲーム開発者やエンジニア、科学者らで構成される少数精鋭のチームで、AI を活用したゲームの逆コンパイルや再コンパイル、移植技術の探求を担います。

近年、WebAssembly や世界的なブラウザ対応率が約 90% に達した WebGPU を使い、ブラウザ上で『Halo』を動かしたり、『Call of Duty』内にスケートボードの仕組みを組み込むような改造が登場しています。

Sharma 氏によれば、こうした試みはソフトウェアとハードウェアの結びつきや、制作とプレイの境界線といった業界の長年の常識を揺るがしています。Xbox Labs はオープンに研究を進め、開発したツールや知見を業界全体の開発者と共有する方針を掲げています。

年間 720 億時間のプレイ時間を AI の現場に

マイクロソフトがこの分野に前のめりになる大きな理由は、AI エージェントの活用余地にあります。

Sharma 氏は、AI エージェントが最初に普及した作業領域がコーディングだった理由として、コードを自ら書き、実行し、テストできる自己完結性を挙げました。ゲームもまったく同じ性質を備えているうえ、世界中の人々が Xbox ゲームをプレイする時間は年間 720 亿時間を超えており、これは世界全体のコード記述時間の約 5 倍に相当します。

これまでマイクロソフトは何十年もかけて後方互換機能を提供してきましたが、モッダーたちはビジネスモデルの制約を受けずに AI で同じことを素早く実現し始めています。ただし、貴重な知的財産が無断で逆コンパイルされ、自由に遊べる形で出回ることへの懸念は残されており、未許諾 IP の扱いについてマイクロソフトは現時点で明確な回答を出していません。

なぜ重要か

プレイヤーや個人開発者にとって、過去の名作がプラットフォームの寿命とともに消えていく問題の解決に直結します。AI による逆コンパイルと再ビルドが実用化されれば、古いタイトルを現代のデバイスやブラウザ上で即座に蘇らせることが可能になり、ゲームを遊ぶことと改造することの垣根が大きく下がります。

業界全体から見れば、専用ハードウェアでユーザーを囲い込む従来型のコンソールビジネスに対する強烈な揺さぶりとなります。ゲームと特定機器の結びつきが薄れれば、ハードの優位性で勝負してきた競合他社もエコシステムの再構築を迫られることになります。

マイクロソフトの動きは極めて合理的だと見えます。AI によるゲーム解析の波を力づくで止めるのが不可能な以上、公式にプロジェクトを立ち上げてツールを主導し、AI エージェントの新しい活用先として取り込むほうが得策だからです。一方で、商用タイトルの著作権保護とオープンな移植技術の推進をどう両立させるのかという根本的な課題には、まだ危うさが残っています。

情報源 (1)

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    theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com

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