本文へスキップ
IFAI

AIツール

Microsoft、AIエージェント向け検索API「Web IQ」公開 遅延165ms未満

公開 拡散指数 39

MicrosoftはAIエージェント向けグラウンディングAPI「Web IQ」を発表した。Bingのインデックスを基盤に再設計され、全文ではなく段落単位の証拠を返すことでトークン消費を抑え、p95遅延165ミリ秒未満を実現する。自律型エージェントのリアルタイム情報収集を高速化する。

Microsoft、AIエージェント向け検索API「Web IQ」公開 遅延165ms未満
画像:blogs.bing.com

AI エージェントが Web で調べ物をする際、従来の検索 API ではページ全体のテキストをそのまま読み込み、膨大なトークンと時間を浪費しがちでした。

マイクロソフトは 6 月 2 日、自律型 AI エージェントのワークロードに特化した検索基盤 API 群「Web IQ」を発表しました。長年運用してきた Bing のグローバルインデックスを土台にしつつ、アーキテクチャを根本から再設計しています。

全文ではなく「必要な段落」だけを抽出

人が使う検索エンジンとは異なり、AI エージェントは推論の過程で何度も繰り返し検索を実行します。Web IQ はドキュメント全体を返すのではなく、Web ページやニュース、画像、動画から関連性の高い段落を構造化された証拠として抽出してモデルに渡します。

これにより、コンテキストウィンドウに流し込むトークン数を大幅に削り、情報密度を高めて推論コストを抑える設計になっています。基盤には同社のディスク型ベクトル検索技術「DiskANN」の知見を取り入れた分散取得ファブリックが採用されています。

p95 で 165 ミリ秒未満、従来比 2.5 倍の応答速度

マルチステップ推論ではレイテンシが死活問題になります。5 箇所のグローバルデータセンターからキャッシュを排除して測定したテストでは、Web IQ の p95 レイテンシは 165 ミリ秒未満を記録しました。同条件での競合製品と比較して約 2.5 倍高速だとしています。

検索品質に関しては、網羅性や鮮度、信頼性を評価する指標「GDSAT」を導入。3000 件の実運用クエリによるブラインドテストにおいて、他社製品を上回る満足度スコアを記録したと説明しています。また、robots 規約や発行者のアクセス制御といったオープン Web の標準規格を遵守する姿勢も強調しています。

なぜ重要か

Web IQ の最大の強みは、人間向けの検索エンジンと AI エージェント向けの検索基盤の要件の違いを明確に切り分けた点にあると考えられます。

これまでエージェント開発者は、旧来の Web 検索 API やスクレイパーを組み合わせて RAG を構築していましたが、長大なテキストによるトークン消費と数秒に及ぶ応答待ちが大きな足かせとなっていました。

応答速度を 165 ミリ秒未満に抑えたことで、エージェントが 1 回のタスクの中で複数回の裏取り検索を挟む現実的な余地が生まれます。段落単位でのデータ受け渡しも、トークン費用の削減に直結します。一方で、要約・抜粋処理をマイクロソフト側に委ねる形になるため、文脈の取りこぼしが発生した際に下流のモデル側でリカバリーが難しくなる懸念は残ります。それでも、自律型エージェントのパフォーマンス改善を目指す開発者にとっては、今すぐ検証する価値のある選択肢と言えます。

情報源 (1)

  1. [1]
    blogs.bing.com(新しいタブで開きます)原文blogs.bing.com

毎日のAIピックアップ